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2016.07.19
成年後見【遺言による未成年後見人の選任】
民法では、未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で未成年後見人を指定することができると規定されています(839)。
実際に遺言の効力が発生すると、遺言及び遺言の効力が発生したことを証する書面(除籍謄本や死亡診断書の写し?)を持って市役所の窓口に行けば、未成年後見人が就任した旨を戸籍に記載してもらい、未成年後見人としての職務がスタートします
未成年後見人は未成年者が成年に達するまでの間、未成年者に代わって財産管理を行うことになるのですが、通常、家庭裁判所で未成年後見人の選任が行われた場合は、裁判所の監督下におかれ、未成年後見人は、毎年その財産管理報告を裁判所に対して行う必要があります。
この点、遺言で指定された未成年後見人の場合、裁判所での選任手続きを要しないため、裁判所へはどのように事件として係属することになるんだろうと思って、調べてみました
すると、遺言で未成年後見人が選任された場合は、裁判所が事件として把握することもないため、裁判所の監督下に置かれることはないそうです
だったら不正しようと思えば簡単に不正されてしまう恐れがあるのではと制度の不備を感じずにはいられません
この不安を解消するためには、未成年後見人の他、未成年後見監督人も遺言で定めておくことで対応するしかないのでしょうか。
なお、報酬に関しては、遺言で具体的に定めていなければ、民法862条を根拠として裁判所が定めることができるため、家庭裁判所に報酬付与の審判を申立することが認められるようです。
<みさき司法書士事務所>