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2018.08.03.

相続【被相続人2名の遺産を同時に遺産分割する場合】

8月に入り、少し時間に余裕が出てきました
最近は本当に毎日暑く、昼間外回りをした日は夜ぐったりしてしまいますね

最近弁護士さんからご依頼を受けた相続登記で、「これは・・・」と思った遺産分割協議書がありました。

1枚の遺産分割協議書で、被相続人2名の遺産分割をしているのです。
もちろん、被相続人2名の相続人のメンバーは同じです。

(ご両親が順番にお亡くなりになっていて、お子様が相続人となるようなケースです。)

家庭裁判所では、被相続人2名についての遺産分割でも、
当事者となる相続人が同じ場合には遺産分割調停を1つの手続で行い、
調書を作成するようなこともあるので、当然、任意で作成した遺産分割協議書についても
問題なく登記できるだろうと考え、通常通りに登記の申請を行ったところ、やはり問題なく登記することができました。

当然といえば当然なのかもしれませんが、1つまた勉強になりました。



 <みさき司法書士事務所>

2018.06.07.

相続【住民票の除票が取れない(住所に沿革がつかない)場合】

相続登記を行う場合の上申書の有無について、過去のブログ記事に下記のように記載をいたしましたが、
昨年以下の通達がありましたので、ここで訂正しておきます。
(過去のブログもこれまたその時点での情報ですので上書きしたり削除したりはせずに置いておこうと思います。)

過去ブログ→相続【住所の沿革と上申書】

【新しい通達】
相続による所有権移転登記の申請において、所有権登記名義人である被相続人の登記記録上の住所が、戸籍謄本に記載された本籍と異なる場合、相続を証する市区町村長が職務上作成した情報の一部として、住民票の写し(本籍及び登記記録上の住所の記載あり)、戸籍の附票の 写し(登記記録上の住所の記載あり)又は所有権に関する被相続人名義の登記済証の提供があれば、不在籍証明書及び不在住証明書等の提 供を求めることなく、被相続人の同一性を確認することができる。
(平29.3.23民二175) 

つまり、権利書の添付があれば、上申書は不要となりました

住民票の除票、戸籍の附票は5年で廃棄されてしまうので、多くの場合は沿革がつきません。
権利書がない場合には従前どおりやはり上申書対応ということになるので、事実上やはり権利書は相続登記にも必要ですよね。
大事に保管しないといけませんね

<みさき司法書士事務所>

2018.05.29.

相続【相続させる旨の遺言により相続した者のみが遺産分割協議に参加する場合】 

お久しぶりの業務ブログ更新です~
一週間さぼると、ついついさぼり癖がついてしまい、2か月近くも間が空いてしまいました
業務が忙しい日々が続いていたのですが、実は4月から司法書士が1名増え、少し落ち着いたので、
今日からまたブログを再開したいと思います

先日、昨年から依頼を受けて継続していた相続登記がようやく完了し、一息つきました
その相続登記を行うにあたり、ある論点にぶつかりましたので、ここに書き留めておきたいと思います。

長い前置きになってしまいましたが、本題です。

本事案では被相続人が30年前に亡くなられてから不動産の名義変更をずっと行っていなかったため、
相続人が次々と発生した数次相続で4世代に渡る遺産分割協議となりました。

その相続人のうちの1人に数次相続が発生しており、
なんと「自分の財産は数次相続人の1人に全て相続させる」旨の公正証書遺言を残しておられました。

このような遺言がある場合に、公正証書遺言を添付することで、相続人の1人から数次相続を受けた相続人だけが、本遺産分割協議に参加して所有権移転登記をすることができるか?ということが問題となりました。
(遺言を残してもらった相続人以外の相続人とは交流がなかったため、捺印の協力をお願いしにくいという背景もあり、ぜひともこの遺言を使用して、登記を進めたいところではありました。)

そこで、先例を調べていたところ、下記のような登記研究の質疑応答の記載を発見しました。


【要旨】
甲の相続人である乙と、甲のもう一人の相続人である丙から「相続させる」旨の遺言により相続財産全部を取得したAのみが遺産分割の協議に参加した遺産分割協議書等において、丙の他の相続人から遺留分減殺請求権の行使を受けていないことが判明すれば、登記を実行することができる。
(平成29.4登記研究830)

問(概要)
不動産の所有権登記名義人甲が死亡し、乙と丙が甲を相続したが、相続による所有権の移転の登記が未了のうちに丙が死亡し、その法定相続人がAとBである場合において、登記原因証明情報として①丙名義の「全ての相続財産をAに相続させる」旨の公正証書による遺言書及び②乙が当該土地を取得する旨に加え、Bによる遺留分減殺請求権の行使がない旨の記載のある乙とA名義の遺産分割協議書(その旨の記載がないときは上申書)を添付して、甲から乙への所有権移転登記が申請されたときは、これを実行して差し支えないと考えますがいかがでしょうか。

答 貴言の通り



そこで、遺産分割協議書の他、数次相続人から遺留分減殺請求権の行使がなかったことの上申書を遺産分割を行う相続人全員に書いてもらい、無事登記の申請を行うことができました。

もともと相続人がかなり多い事案でしたので、遺言の存在はありがたかったです・・・


 <みさき司法書士事務所> 

2016.11.08.

相続【遺言による信用組合等の預金相続】

最近、遺言執行者をしていて、信用組合の預金の解約手続きで思いがけない落とし穴がありました

今回執行者となった遺言では(作成時に関与したのは私ではないのですが)、ある信用組合の口座にある預金を特定の方に遺贈する内容でした(遺言書の中では普通預金、定期預金ともに金融機関名、支店名、口座番号まで指定がありました。)

ところが、預金を解約するにあたり、実は信用組合の場合、「出資金」があるため、その出資金についても遺言書で遺贈の対象としていない限り、こちらは法定相続の対象となるとのことでした。

したがって、出資金も遺贈の対象としたい場合は、「出資金債権」と別で遺言に記載しておかなければなりません。

今回、出資金は高額ではなかったから良いものの、遺言執行者としては、業務を行いづらいですよね。
驚きました。私自身もとても勉強になりました。
遺言を作る段階で注意しなければならない事項ですね。

 <みさき司法書士事務所>

2016.10.09.

相続【死後事務委任契約履行の盲点】

久しぶりのブログ更新となりました。
ブログに書けないような笑えるネタや真の意味で勉強になった話はたくさんあるのですが、ここに書く内容には制限がかかってしまうので、どうも面白くない話になってしまいがちです残念で仕方がないです

今日は、最近需要が多い「死後事務委任契約」について少し記載したいと思います。
(概要については、下記の本の中で執筆しておりますので、ぜひご購入ください!(宣伝です))


さてさて、本題です。
死後事務委任契約は判例でもその有効性は認められているのですが、いざ履行するときになって、契約だけでは有効に手続が行えなかった点がいくつかあります。

例えば、もっともわかりやすいのは「死亡届の提出」でしょうか。
なぜかというと、届出人が法定されているからです・・・。

例えば、死亡届の提出者は
親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人等、後見人、保佐人、補助人、任意後見人です。
本人からの生前の委任があっても代理して提出することができません。
(登記されている任意後見人受任予定者であっても、任意後見人ではありませんので、同様です。)

死亡届を書いてもらえそうな親族がいる人は、そもそも死後事務委任契約の必要性がなかったりすることもありますので、誰に死亡届に署名してもらうのか!?は事前の打ち合わせでとても重要なのではないかと思います。

 <みさき司法書士事務所>

2016.09.15.

相続【死後の預金出金について】

先日のニュースで、福島銀行の新サービスとして、死後の預金が簡単におろせるようにするサービスを始めたと報道されていました。

概要として、使途は病院への支払いや葬儀費用に限定されるものの、生前に引き出す人と金額を決めておけば、名義人死亡後、すぐに口座からお金が引き出せるようになるというものです。ただし、手数料が年間5000円かかるとのこと(たか~い!!!)

通常、葬儀費用は喪主が負担するものであって、本人の財産の中から勝手に支出することはできません(ときどき死後のキャッシュカードでの出金が相続人間でトラブルになることもあるくらいです・・・。)。

しかし、このサービスは本人が生前に用途と受任者を決めて委託しているわけですから、ある意味で死後事務委任契約と似ているのかもしれないですね。

本人の死亡によっても契約の効力が失効しない旨の文言でも入っているのか、契約書の中身が気になるところです。

 <みさき司法書士事務所>

2016.09.09.

相続【明日は相談会です!】

明日は逆瀬川での相談会です
8月28日開催の相続相談会もなかなか好評でした。



日頃ご相談を受けていると、「あっ!それは税理士さんの専門分野ですね」とか、「弁護士さんの業務範囲ですね」というように、話が横断的になることがよくあります。全ての知識があれば良いのですが、士業ごとに業務範囲もありますので、やはりそういうわけにもいきません。ですから、本来であれば他士業と合同で相談会を行うのが望ましいところですが、弁護士会、司法書士会、税理士会、土地家屋調査士会では公には合同相談会を開催しておりません。

弁護士さん・税理士さん・土地家屋調査士さんと合同の相談会は滅多にないのでチャンスです!

既にご予約を数件いただいておりますが、まだ少し空きがあります
ご興味のある方はぜひお越しください。

 <みさき司法書士事務所>

2016.07.15.

相続【宝塚での無料相談会の開催予定】

8月28日(日)、9月10日(土)に、弁護士さん、税理士さん、土地家屋調査士さんと合同で、
相続に関する個別無料相談会を開催することとなりました(主催は株式会社ノーダスさんです)。

場所は宝塚で、場所などは下記の要領で行います。
宝塚と言えば、兵庫県での勤務時代にはよく行った場所なので、懐かしい気持ちになります
時期は暑い時期ですけど、なんとなく宝塚って涼し気なイメージ♪

様々なご相談に対応できると思いますので、ご興味のある方はぜひ参加申し込みください




 <みさき司法書士事務所>

2016.07.06.

相続【法定相続情報証明制度(仮称)の新設】

法務省が7月5日、相続手続きを簡素化する「法定相続情報証明制度(仮称)」を来年度に新設すると発表しました

現在は、相続の手続を行う場合、被相続人の出生~死亡までと、相続人の戸籍謄本書類一式を、法務局や各金融機関、各役所にその都度、原本の提出をする必要があります。戸籍の原本は確認後に還付されるとはいえ、1通しかない場合は一カ所ずつ順番に手続を行うことを余儀なくされますから、戸籍の提出先が多ければ、それだけ手続き完了までに時間がかかっているのが現状です
(全部の戸籍を複数枚ずつ用意すればよいだけの話なのですが、その分費用が高くつくので、戸籍を1通ずつ取って使いまわすことが一般的です。)

この法定相続情報証明制度は、最初に戸籍一式を法務局に提出すれば、法務局が法定相続人の証明書を発行してくれますそして、この証明書を戸籍謄本の原本一式に代えて各金融機関や役所などに提出することで、戸籍謄本の原本の提出が省略できます。証明書が数枚あれば、同時並行に各所での相続手続きを進めることができるようになりますから、今までよりも迅速な手続きの進行が可能になると考えられます

ところが、各金融機関では相続関係の確認が簡易になるため、大幅なコスト減になる一方で、各法務局では相続登記の申請に関して提出される戸籍謄本の他に、戸籍の確認業務が増えることで、通常の登記業務の方にも(登記の完了が今より遅くなる等)影響を及ぼさないかが心配です

また、現在の発表では、申請人側で作成した相続関係図を基に、法務局がそれを証明するカタチで証明書を発行するとのこと。どのような証明書として交付されるのかは謎ですが、簡単に偽造できないようにして欲しいですね。

ただ、この制度が新設されても、戸籍謄本の提出に代えて法定相続情報証明書を提出すれば、法定相続人を証明することができるに過ぎず、遺産分割を行う場合には遺産分割協議書の添付が必要となりますから、少し便利になったという程度でしょう。

今まで通り、戸籍を全て集めるという作業は軽減されません。

窓口に行けば、被相続人の出生~死亡までの戸籍と、被相続人の法定相続人の戸籍一式がポンっと出てくるようになれば、一般の方にとって、手続が容易になるので、いいと思うんですけどね~。

 <みさき司法書士事務所>

2016.06.06.

相続【養子縁組婚姻って・・・?】

最近、相続登記を行うために戸籍を確認しておりましたら、「養子縁組婚姻」という原因で入籍している戸籍を発見しました
言葉は知っていましたが、実際に見たのは初めてです。

旧民法において、「婚姻」とは、夫の家に入る(夫の姓を名乗る)婚姻を意味しており、
夫が女戸主である妻の家に入る婚姻は「入夫婚姻」と称していました。

そして、「入夫婚姻」が婚姻のみを目的とするものであるのに対し、「養子縁組婚姻」とは、婚姻の他に夫が妻の親と縁組関係をも併存させていることが特徴になります。

現在の民法に基づく戸籍事務では、「婚姻届」と「縁組届」は別々の手続を踏んで行うことになりますので、一括で!というのはあり得ません。

相続登記をしていると、旧民法の名残が戸籍からわかるので、面白いですよね


<みさき司法書士事務所>

2016.04.08.

相続【戸籍訂正の申立】

以前、相続登記をするために戸籍を収集していた際に、
戸籍の記載事項に誤りを発見し、職権訂正をしてもらうという出来事がありました。

具体的には、相続人の父親欄に被相続人たる父親ではなくて、他人の名前が載っていたんです
過去のブログ参照)

これでは、戸籍がつながらないですし、父親欄が異なったら、被相続人の相続人でないことになってしまうので困ります。
このときは役所が戸籍を転籍させる際に誤記があったということですので、すぐに訂正してもらうことができました。

こんなこともあるんだな~と思っていましたら、最近また、戸籍の記載事項に誤りを発見しました。

具体的には、
婚姻後の戸籍と、婚姻前の戸籍で被相続人の氏名と生年月日に微妙な違いがあるというものでした
いずれも戦災喪失後(沖縄県の戸籍)に、戸主の申出により再製された戸籍です。

父親欄、母親欄や、氏名の一部、生年月日の月日については同一性が見られましたので、「被相続人本人に間違いないはず」と考え、戸籍の記載事項を職権訂正してもらえないものか、市役所に相談してみました

その結果、「戸主の申出(仮戸籍申告書)に基づいて再製された戸籍なので、役所の間違いではないので、職権訂正はできません。本人や利害関係者から、『戸籍訂正の申立』を家庭裁判所にしてください。」と言われました

そんな家事手続きがあったこと自体を初めて知りました。
役所のミスなら職権訂正可、そうでなければ戸籍訂正の申立が必要ということだそうです

しかし、戸籍訂正の申立をしていれば、相続登記に1年以上かかってしまいます

法務局対応としては上申書でなんとかならないものだろうか…と考え、法務局にも相談してみました。
その結果、上申書で良いという返事が返ってきたので、ほっとしました。

今回、もう一つ勉強になったのですが、
沖縄県は昭和20年から昭和47年にかけてアメリカの占領下におかれていた関係で、昭和23年10月1日から昭和33年6月30日までの間、戸籍事務の管掌者たる沖縄県下の市町村長に代わって、福岡法務局沖縄関係戸籍事務所が沖縄県の戸籍事務を担当していたという歴史です。この間に作成された戸籍を「仮戸籍(臨時戸籍)」と呼び、「仮戸籍申告書」は事情があれば取り寄せることもできるということです。

そして、昭和33年6月30日以降、本土との戸籍の届出の相互交流が認められるようになったため、仮戸籍申告書に基づいて、沖縄県下で戸籍の再製事業が続々と始まり、現在に至っているということがわかりました。

歴史を知るということはとても大切ですね。

 <みさき司法書士事務所>

2016.03.09.

相続【特別縁故者への財産分与の審判と相続財産管理人の心証】

今日はとても嬉しいことがありました

約2年前にご依頼を受け、相続財産管理人の選任申立、特別縁故者への財産分与の申立を行っていた事件で、財産分与の審判が下りたようで、先ほど事務所に特別送達が届きました

審判の主文は、「相続財産の全部を分与する」となっており、依頼者様ともども、2年間の労が報われた気分になりました
特別な縁故が認められたからといって、全額の分与を受けることができるとは限らないのが、この手続きの難しさでもあります。(手続の詳細についてはこちらをご覧ください。)
書類作成代理人の司法書士として、これほど嬉しいことはないですね

審判書には、相続財産管理人の意見も記載されています。
裁判所は、この手続の中で、申立人から裁判所に提出される書類だけでなく、相続財産管理人が申立人から聞いた事情をまとめた「意見書」も参考にして審判をします。

つまり、相続財産管理人の心証も大切なんです

ちなみに、相続財産管理人はどうやって選ばれるかといいますと、家庭裁判所の職権による選任です。

実は、申立の際に、知り合いの弁護士さんを候補者として書いていたのですが、
やはり、利害関係人(特別縁故者の財産分与の申し立てを予定している者)からの申し立てにおいて、申立人の息のかかった弁護士を選任するわけにはいかなかったのでしょうか…。

全く知らない弁護士さんが選任されました

なお、成年後見人をしていた者からの、相続財産の国庫帰属のためにする申し立てであれば、成年後見人をしていた者がそのまま「先生が引き続き管理してください。」ということで、選任されることもあると聞いたことがあります。

ケースバイケースなんですね~。

 <みさき司法書士事務所>

2016.02.24.

相続【養子縁組前の子の代襲相続権について】

みさき事務所のHPを開設して3年以上が経ち、毎日は無理ですが、少しづつでもブログを更新し続けてきた結果、いろいろなご質問や、感想をいただくことができるようになりました

HPへの閲覧数を見る限りでは、1日200名以上の皆さまの目に触れていることになります。
(同じ人が何回も見てくれることもあるのかな?)
本当にありがとうございます

これからも、業務のこと、司法書士のこと、日常のこと、マイペースに書き綴っていきたいと思います。

さてさて、今日の本題です。
過去のブログをご覧いただき、下記のようなケースの相続における相続人は誰か?
というご質問をいただきました。
こういう事例もあるんだ…と参考になりましたので、ここに記載したいと思います。


【事例】
①AB甲丙は既に死亡している。
②甲は乙と婚姻する際、Aと養子縁組をしている。
③甲には、前妻との間に子がいた。
④甲乙間に子供はいない。

Q.乙の相続における相続人に、甲の前妻との間の子は含まれるか。



要するに、乙には子がなく、配偶者甲、直系尊属ABが既に死亡しており、兄弟姉妹が相続人となるケースです。

乙の兄弟姉妹は、(配偶者の地位の他に、Aとの養子縁組により、兄弟姉妹としての地位もあります。)、ですが、いずれも既に死亡しており、その直系卑属(子)が代襲相続人になることが考えられます。

しかし、甲の直系卑属(子)は、養子縁組前に生まれた子であり、乙の相続について、甲を代襲して相続人となるかどうかが論点となっています。

過去のブログでご紹介した事案は、養子縁組前の子が養親の相続について代襲相続人と認められた事案ですが、これは
事案の特殊性から相続関係が認められたもので、例外的なものです。さらに、高裁判例ですので、どこまで汎用できるのかがわかりません。

民法727条によれば、「養子と養親及びその血族との間において、養子縁組の日から親族関係が生じる。」とありますので、原則通り、やはり前妻との間の子は、乙の相続人にはならない。
というのが私の出した結論です。

養子縁組関係が含まれる相続は複雑になることも多いので、相続人確定の際には、気をつけて確認しないといけませんね。

 <みさき司法書士事務所>

2015.11.06.

相続【住所の沿革と上申書】

先日、住民票の除票の保管期限が短いため、困るという話をここに書いたと思います。
(詳しくはコチラ

どうして困るかと言いますと、
相続登記の申請の際、被相続人の最後の住所地と、登記簿上の住所地の沿革をつけるため、
住民票の除票(本籍省略無)又は戸籍の附票を添付する必要があります
(これにより、死亡した者と登記簿上の人物が同一人物であることを立証します。)

この際に、住民票の除票や戸籍の附票が保管期限の経過により取得できない場合、
上申書を添付する必要があるからです。

この上申書は法定添付書面ではありませんので、ご当地ルールがあるようです…。
私は毎回、相続人全員から捺印をもらっていたのですが、先日疑問に思って登記官に聞いたら
大阪法務局管内(おそらく近畿圏内は同様の取扱いだと思われます。)では、次の取り扱いになっていると教えてくれました。

第一に、
相続により名義を取得する人からの上申書(実印で捺印し、印鑑証明書を添付)+被相続人の権利証

権利証が紛失してしまって存在しない場合は、
第二に、
相続人全員からの上申書(実印で捺印し、印鑑証明書を添付)+固定資産税の納税通知書+固定資産税の領収書

納税通知書もない場合は、
第三に、
相続人全員からの上申書(実印で捺印し、印鑑証明書を添付)+成人2名による保証書(実印で捺印し、印鑑証明書を添付)

だそうです。

今まで全くそんなルールを意識しておりませんでしたので、驚きました
このルールさえも地域性があると言われると、結局毎回法務局に確認しないと不安ですね

 <みさき司法書士事務所>

2015.11.02.

相続【住民票の添付が不可能な場合】

最近一気に冷え込んで、秋が更に深まりましたね
今日から11月で、今年も残すところあと2ヶ月となりました

事務所も開業して3年が経ちましたが、3年前のこの時期より、今忙しいのはありがたいことです

今日も最近思い出した先例を備忘録としてここに書きます。

シチュエーションとしてはかなりレアなのですが、
相続登記の申請の際に、行方不明だったり、既に死亡して5年以上が経過しており、
住民票が出てこない者が共同相続人の中に存在する場合があります。

そんな中、遺産分割ができず、どうしてもいったん共同相続人全員の名前で登記しないといけないような場合に
(↑シチュエーションが限定的すぎ)、
住民票が出せない人は、どうやって登記すれば良いのか…?

結論から言うと、さしあたり本籍地を住所として登記することになります。

【先例】
共同相続人のうち行方不明の者があって、その者の住民票又は戸籍の附票に住所の記載がない場合は、その者の戸籍の附票に住所の記載のない旨の証明書を添付し、その者の本籍を住所として相続登記を申請することができる(登記研究246号)。

過去に数次相続が発生しており、遺産分割ができずにとりあえず法定相続分で登記を入れようとしたところ、
共同相続人の中に死亡して5年以上経過しており、住民票の除票すら出てこなかった者があり、
1回だけこの方法で登記を行いました。

住民票の除票が5年で廃棄されるという仕組みは本当に廃止になってほしいです。
永久保存ではどうしていけないのでしょう?
(現在、司法書士政治連盟がこの問題について、議員立法を目指して動いているという話は聞いたことがありますが…。)

住民票の除票が廃棄されて困るケースについて、
また明日以降にブログを更新したいと思います。

 <みさき司法書士事務所>

2015.08.10.

相続【死因贈与契約の存在意義】

今年の夏は異常な暑さですね。
食欲がなくなれば痩せられるのに、なぜか食欲だけは衰えないのが残念でなりません

さて、死因贈与契約の意味についてぼーっと考えてみました。

Aさんが、自分の死後に不動産をBさんに譲りたい場合に、生前に何を準備すればよいか?
(節税対策ではありませんので、ここでは生前贈与は検討しません。)

①遺言(遺言についての説明はコチラ
死因贈与契約

が一般的な方法として思い浮かぶかと思います。

ここで、死因贈与契約とは何かですが、
死因贈与契約とは、贈与者の死亡を停止条件とした贈与契約のことで、
生前に贈与者と受贈者との間での契約で行います。

どちらを選択しても、死後に財産を贈与できるのですが、その比較は次の通りです。

遺贈(遺言) 死因贈与契約
法律行為の種類 単独行為
*一方的な意思表示による。
片務契約
*双方の契約による。
撤回の可否
*遺言の書き直しは何度でも可
不可
*契約なので、一方的な撤回はできません。
方式 公正証書遺言
自筆証書遺言 など

書面によらない。
*実務上は書面で残す必要があります。

相続放棄 できる。 契約によるため、一方的な放棄はできない。

義務を負担させることの可否

受遺者に義務を負わせることはできない。 受贈者に契約によって義務を負わせることも可能。
仮登記の可否 不可
始期付所有権移転仮登記(2号仮登記)ができます。
死後の手続き 遺言執行者が決まっていれば、
遺言執行者との共同手続きで行う。
相続人全員を義務者として、
共同で手続きを行う。
登記費用
(登録免許税)
不動産評価額の4/1000
(ただし、受遺者が相続人でない場合は20/1000)
不動産評価額の20/1000

こうして考えると、死因贈与契約のデメリットが目立ちますね。

デメリット1.一方的な撤回ができない。
デメリット2.登記には相続人全員の協力を要する(協力してもらえるの…?)。
デメリット3.登録免許税が高い。
 
*ただし、遺言で相続人以外の者に相続させる場合には同じ税率なので変わりません。

死因贈与契約を選択するメリットは一体なんなのでしょうか?

それは、「受贈者にも一定の義務を負担させることができる」ということと、
「仮登記によって、期待権を保全できる」ということでしょう。
(私の勝手な解釈ですが…。)

今までに選択したことがない選択肢なのですが、需要があればぜひ提案してみたいものです。



 <みさき司法書士事務所>

2015.06.16.

相続【受遺者が先に死亡した場合の遺言の効力】

最近、遺言書を作成するにあたり、検討した事項について綴ります。
遺言者よりも先に受遺者が死亡してしまった場合、遺言の効力は原則として生じません。

では例外は?と思うところですが、例外として、次のような判例があるようです。


「相続させる」旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないと解するのが相当である。
(最高裁判決平成23年2月22日)


つまり、「受遺者が先に死亡した場合には代襲者その他の者に遺産を相続させる旨」の意思が当時の事情及び状況などから推定できるという特段の事情があれば、代襲相続の効力が生じることもあるようです。

とはいえ、あくまでも「特段の事情」がある場合に限ります。
何が「特段の事情」に該当するのか明確な基準はありませんから、心配ですよね。

このような場合に備え、補充遺言を残しておくことができます。

例えば、

第1条(遺言) 
遺言者は、遺言者の所有する全財産を次の者に相続させる。

第2条(補充遺言)
遺言者は前条に記載の者の中で、遺言者の死亡以前に死亡した者がいる場合には、前条によりその者に相続させるとした財産を、その者の子に(複数の場合は均等に)相続させ、又は遺贈する。

というような遺言の書き方をしておくこともひとつの方法です。

 <みさき司法書士事務所>

2015.05.12.

相続【遺産分割協議後に見つかった財産】

遺産分割協議後に財産が新たに発見された場合に備えて、発見した場合はどうするかを
遺産分割協議書の中で、だいたい定めておくことが多いと思います。

たとえば、遺産分割協議後に新たに相続財産が発見された場合には
法定相続分で分けるとする場合や、ある特定の者(例えばAさん)が相続するなど、
相続人間で自由に取り決めておくことができます。

さて、ある特定の者(例えばAさん)が相続すると決めていた場合において、
実際に遺産分割協議後に新たに相続財産が発見されたときに

この遺産分割協議書に基づいて、Aさんが単独で相続することができるかどうか…が問題です。

今回、実際に問題が起こりました。
新たにX銀行に預金があることが発覚したのです。

相続人がたくさんいるため、再度捺印をもらうのは困難です。
なんとしてもこの前回捺印を集めた遺産分割協議書を利用して、
Aさんが単独で相続できるように手続きを進めたいところです。

X銀行に掛け合ってみたところ、まずは書類を見せてください、とのことでしたので、
まずはおそるおそる書類を提出しました。

法律上可能であっても、融通が利かないのが金融機関ですから。

不安に思っていましたら、結果、
この遺産分割協議書を利用して全てAさんが相続するということで手続きをすすめることができました。

もちろん全ての金融機関で同じ扱いをしてもらえるとは限りませんが。
○生銀行はOKでした。
常識的な良い金融機関だなと思いました。

 <みさき司法書士事務所>

2015.02.18.

相続【戸籍の職権訂正について】

最近、相続の依頼を受けて戸籍を集めておりましたところ、

「んっ??

被相続人が配偶者と子供なく死亡したため、兄弟が相続人になるというケースなのですが、
取れた戸籍をよ~く見ると、兄弟のうち1人だけ、
父親欄の父親の名前が間違っていて、父親が他人になっている…

(字の間違いではなく、完全に他人の名前になっていました

戸籍を最初から順番に辿っていけば、
父親が他の兄弟と同じであることは暗黙の了解でわかるのですが、
どうやら、本籍地を転籍して新たに戸籍を編製した際に、そのときの担当者が間違えたのでしょう。

現在の戸籍だけで見ると、半分しか血が繋がっていない兄弟のよう

昔は手書きだったし、人間のやることにミスはつきもの…。
とはいえ、戸籍ですから!!!

もう何十年も前の戸籍やし、訂正とかしてもらえるんかなぁ~。と思って
そこの市役所に事情を説明し、手元にある戸籍を見てもらいましたら、
「すみません。職権訂正します!」と言ってもらえました。
市役所の職権請求で転籍前の戸籍を取り寄せ、審議にかけてからの訂正になるため、
1週間から10日ほどかかるそうです。

その間仕事がはかどらない…
それにしても、気づいた私、ナイス。

 <みさき司法書士事務所>

2015.02.09.

相続【地方裁判所の和解調書を添付した相続登記】

昨年末、弁護士さんからちょっと困った相談がありました。

地方裁判所で遺産分割を行った和解調書を添付して、
相続人から単独で相続登記申請ができるかどうか
です。

民法の規定では、遺産分割が調わないときは、家庭裁判所に遺産分割を請求できるとなっており、
遺産分割は家庭裁判所で行うことが民法上要請されています。
 したがって、通常、争いのある遺産分割協議は家庭裁判所で行うため、添付するとすれば、
家庭裁判所の調停調書、審判書正本、判決正本です。

ところが、遺産分割の前提問題(例えば本人死亡前後に使途不明金があるとか…。)がある場合には、
前提問題は家庭裁判所ではなく、別途地方裁判所や簡易裁判所で解決することになります。

今回のケースは、地方裁判所で前提問題を解決した上で、
遺産分割協議もついでに行ったので、その和解調書を添付して登記したいという相談でした。

そこで、この地方裁判所での和解調書を添付して単独での相続登記申請ができるのか?
という問題に発展しました。

地裁での和解調書の場合、家庭裁判所での遺産分割の調書と異なり、
必ずしも相続人全員が関与しているとは限らない点と、
民法上の要請があるため、判決と同じ効力を有すると言っても、
家庭裁判所での調停調書と全く同じように扱うというのは難しいかもしれません。

しかし、遺産分割の和解に相続人全員が参加しているということであれば、
戸籍謄本等を添付することにより、登記原因証明情報として利用することができると考えるのが自然です。

そのため、いろいろ調べたところ(同業者にも法務局にも確認しました。)、
■登記名義人(被相続人)の相続人全員が当事者となっている。 
■和解調書には、被相続人名義の不動産を特定の相続人が取得する旨の遺産分割協議が和解成立と同日に成立したことを確認する条項がある。

この要件を満たせば、なんとか地方裁判所で行われた遺産分割協議の和解調書正本を添付して、
相続登記の申請ができるということがわかりました。

なお、相続人全員が参加している旨(相続人確定)の記載が調書から明らかでない場合は、
相続人を明らかにするため、戸籍謄本等は全て添付する必要があります。

実務上、家庭裁判所では、使途不明金等の前提問題で争っている場合は、
「別途地方裁判所で解決してから家裁に遺産分割を持ち込んでくださいね。」
という説明がされているそうですが、
きっと地方裁判所で主たる請求のついでに、遺産分割も和解でまとめてしまったんでしょう。



もう一度遺産分割協議書を作って相続人全員から実印押して印鑑証明書付けてもらって…
となると、相続人同士が揉めている事案ではお願いしにくいので、
和解調書正本の添付で登記ができることがわかり、安心しました。

地方裁判所で遺産分割ができてしまうのであれば、その方が手っ取り早いですよね。
実務上、よくあることなのかな?



 <みさき司法書士事務所>

2015.01.25.

相続【生前の相続放棄】

被相続人の生前に、相続人のうちの一人に対して、
「相続権を放棄します、と一筆書いておいてもらう」と話す方が多いような気がします。

しかし残念ながら、民法では被相続人の生前に相続放棄をすることは認められておりません。
(生前の遺留分の放棄は認められています。)

当然、生前の遺産分割も、何の意味もありません。

もし「相続を放棄します。」と被相続人の生前に一筆書いてもらった場合において、
将来いざ相続が発生したときに、「あのとき書いてもらったでしょ?」ということで
素直に遺産分割で相続権を他の相続人に譲ってくれれば良いのですが、
「気が変わったから自分も相続したい。」と言われてしまうとアウトです。
だってそもそも生前の相続放棄の約束や遺産分割の約束は無効ですから。

遺産分割が調わず調停や裁判となったとき、
昔書いてもらった書面を武器に、当該相続人には相続分は与えないと主張できるか?と言われると、
主張できません…。

ですので、無効なのは承知の上で、一応書いておいてもらうということであれば良いのですが、
本気で相続対策ができると思っている人は要注意です。

このような場合には、遺言が一番です。
とはいえ、遺言を書いた場合でも、兄弟が相続人となる場合以外には相続人は遺留分を有しますので、
遺留分相当の金員は与える内容の遺言を作成するか、生前贈与を行うことによって、
生前に遺留分の放棄をさせておくことが望ましいでしょう。
(遺留分についてはコチラ

また、相続人が非行をしたことにより、相続排除をしたいということであれば、
被相続人の生前に家庭裁判所に申し立てて相続排除の手続きを行えば(遺言でも可能。)、
相続人たる地位を排除することもできます。
(ただし、かなりの非行をしていない限り、認められないため、ハードルは高いです。)

 <みさき司法書士事務所>

2014.12.17.

相続【養子縁組前の子が代襲相続して相続人となる場合】

お久しぶりの更新です
最近へぇぇぇぇぇ~と思った相続についての判例があります

民法では、養子縁組後の養子Aの実子Bは、養親Cの直系卑属にあたるため、
養子Aが先に死亡していた場合には、養親Cの相続について、Bは代襲相続人となります。

では、もしBがAとCの養子縁組前に生まれていたら??
答えは、「代襲して相続人となりません。」と答えますよね。

ところが、こんな判例がありました。

養子縁組前の養子の子が養親の実子の子でもあって、養親の直系卑属にあたる場合には、
養親を被相続人とする相続において、養子の子は養親より先に死亡した養子を代襲して相続人となる。

(大阪高裁平元8.10判決)
(判例タイムズ708号222頁)

これってよくある話ですよね。
婿をもらって、奥さんの両親とお婿さんが養子縁組しているような場合や、
お嫁さんと、夫の両親が養子縁組しているような場合です。
(もっとわかりやすい例で言いますと、磯野家においてマ○オさんとナ○ヘイさんが縁組しているような。)

この場合に、夫婦間に生まれた子(つまり、タ○ちゃん)は、養子縁組より出生日が前であっても、後であっても、
養子(マ○オさん)の方が先に亡くなれば、養親(ナ○ヘイさん)の相続について、
子(タ○ちゃん)は養子を代襲して、相続人となるのです。

判旨は次の通りです。
『民法887条2項但書において、「被相続人の直系卑属でない者」を代襲相続人の範囲から排除した理由は、
血統継続の思想を尊重するとともに、親族共同体的な観点から相続人の範囲を親族内の者に限定することが相当であると考えられたこと、とくに単身養子の場合において、縁組前の養子の子が他で生活していて養親とはなんら関わりがないにも関わらず、これに代襲相続権を与えることは不合理であるからこれを排除する必要があったことによるものと考えられる』
ため、本件のような場合については代襲相続を認めるとしています。

今月で一番勉強になった判例です。

<みさき司法書士事務所>

2014.12.07.

相続【ジョイント口座の相続】

昨日は士業同士の勉強会を行い、大変興味深い判例を勉強しました。

ハワイ州で作成されたジョイント口座(共同名義口座)をめぐっての相続問題についての判例です。

そもそもジョイント口座という口座自体、私は知らなかったのですが、
ジョイント口座というのは、2名以上が共同で作った銀行口座のことで、
日本の金融機関ではジョイント口座は作れないのですが、海外ではよくあることなのだそうです。

ジョイント口座の共有者の1人に相続が発生した場合に、
その口座の中にあるお金は遺産分割の対象となる相続財産に含まれるかどうか…というところで、
東京高裁平成26年11月20日判決では、
「ハワイ州のジョイント口座は被相続人の私法上の相続財産を構成しない」と判断した第一審判決を支持しました。

つまり、ジョイント口座に入っているお金は、相続財産に含まれないと判断したのです。

この銀行との契約では、預金口座は預金口座の所在地(ハワイ州)の法律により規律されるという定めがあったため、
ジョイント口座が相続の客体となりうるか否かはハワイ州法によって判断すべきであるとし、
ハワイ州の法律では、ジョイント口座は生存名義人に帰属させないとする意思の存在を裏付ける明確で客観的な証拠がない限り、生存名義人に帰属すると定められていることを指摘した上で、今回の事案では証拠がなかったため、相続財産を構成しないとの判断になったようです。

これ、ハワイ州の法律に従った結果の判断ですので、
銀行がハワイの銀行でなかったら、また違う結果になったのでしょうか

海外で口座を作る人が増えているので、
このような事案もこれからどんどん増えてくるのでしょうね…。

海外に財産を持つと、海外の法律が適用されることもあるため、複雑です
日ごろからしっかり勉強して、世の中の動きについていこうと思います!

 <みさき司法書士事務所>

2014.12.06.

相続【一人遺産分割の可否について】

父親が亡くなり、母と息子だけが相続人であるようなケースにおいて、
その後に母が亡くなれば(数次相続)、息子が母親の地位を相続した者として父親の遺産分割協議を1人で行い、
息子名義に一発で変更することができる
ということは、慣習的に最近まで当たり前のように行われていました。

私も何度もやったことがあります。

ところが、平成26年3月13日東京地裁での判決(平成25年(行ウ)372号)で、この点に明確な判断がなされました。

一人遺産分割協議に基づいた登記申請が却下されたケースについて、
遺産分割は、複数の相続人の存在が当然の前提とされているため、
2次相続によって最終的に相続人が1人となった場合には、法律上遺産分割の余地がないことから、
法務局の却下決定を「適法だ」としたものです

この判例を受けて、
各地の法務局では同様の申請があった場合には、取下げを要求してくるようになっています。
本当につい最近(すくなくとも平成26年9月頃まで)までは当たり前にできていたことなので、驚きました。

これに基づけば、冒頭のようなケースでは、いったん亡母親と息子の共有名義に相続を原因として所有権移転登記をした後、亡母親持分について相続を原因として息子名義に所有権移転登記を行う…という2段階の申請が必要となります。

つまり、登録免許税が2倍かかるということです…

 <みさき司法書士事務所>

2014.11.26.

相続【債務を遺産分割できるか】

先日、相続のご依頼を受けて書類を作成していましたところ、
遺産分割協議書の中に、承継した債務の負担割合を書いてほしいというご要望を受けました。

判例は、金銭債務その他不可分債務について、相続開始と同時に各相続人が相続分に応じて
分割承継し、遺産分割の対象にならない
と解しています(おそらく債権者保護のためでしょう。)。
参考判例 大決昭5.12.4 、東京高決昭37.4.13

したがって、遺産分割協議書に記載したところで、債権者に対しては対抗できないので、
当事者間の単なるお約束に終わってしまいます。

それでも良ければ…書くだけ書いときましょか!?ということで記載しました。

もし遺産分割協議の中で、積極財産を承継する代わりに消極財産も承継するというような
相続人間の話し合いをされるのであれば、積極財産を承継したことを確認した直後、すぐにでも
消極財産を返済しておいてもらった方が、他の相続人は安心ですね。

債権者に対抗できないのですから…。

<みさき司法書士事務所>

2014.09.02.

相続【相続放棄と死亡保険金(共済金)の受領】

久しぶりに勉強になった小ネタを書きたいと思います

相続放棄相続の限定承認をするまでの間に、亡くなった方の
相続財産を処分してしまっていた場合には相続を承認したものとみなされ、
相続放棄や相続の限定承認をすることができなくなってしまいます。

皆さんもどこかで聞かれたことがあるかもしれませんが、
「死亡保険金」は、受取人となっている方の固有の財産ですから相続財産ではありません。

したがって、相続放棄・相続の限定承認を予定している場合であっても、
死亡保険金だけは受け取ることができます

ところが、これが一般的な生命保険会社ではなく、共済の場合には気を付けないといけません

共済の場合、加入する際に出資した出資金の払い戻しも伴うことになります。
この出資金の法的性質は、相続財産ですから、うっかり払い戻しを受けてしまい、
相続財産を処分したと言われてしまっては困ります。

そこで、ある共済に確認したのですが、
このような場合、
「相続放棄を行うため、死亡共済金の受領だけを希望します。」
という内容の文章を書いて、住所氏名と実印での捺印があれば、
死亡共済金の受領だけに対応してくれるそうです。

相続の限定承認を行う場合には、
同様の手続きを行い、死亡共済金の受領だけをした後に、
出資金やその他の還付金については相続財産として計上する必要があります。

 <みさき司法書士事務所>

2014.07.05.

相続【公正証書遺言の必要書類について】

公正証書遺言の必要書類について、大変勉強になった事項があります

公正証書で遺言を作る際の必要書類は原則として次の通りです。



■遺言者のご実印&印鑑証明書
■遺言者の戸籍
■受贈者が相続人である場合には相続関係のわかる戸籍一式
(関係が親子であれば、子の戸籍謄本だけで足ります。)
■受贈者が相続人以外の者である場合にはその人の住民票
□不動産がある場合は、固定資産評価証明書(又は納税通知書)
□その他、財産(通帳など)の残高がざっくりでよいのでわかるメモ

上記のうち□は、公正証書作成費用の算定の際の参考とするためです。



ところが、今回、いろいろあって(いろいろの内容は守秘義務で言えませんが…
遺言者が実印と印鑑証明書を用意できないとのことでした。

この時点で遺言の作成は無理ですね、と諦めかけていたのですが、
公証人に直接確認しましたら、公証人の中での通達?のようなもので、
「遺言書作成に立ち会った証人2名が実印と印鑑証明書を提出して、
遺言者が本人に間違いない旨証明した場合には、本人の実印と印鑑証明書を省略できる。」

というのです。
ただし、その公証人自身もやったことがないとのことでした。

そんな例外があったなんて…驚き

遺言作成の詳細についてはコチラ
費用についてはコチラ




 <みさき司法書士事務所>

2014.06.26.

相続【遺言の書き方】

先週末は、京都府綾部市にて相談会を開催いたしました。
特に目立って多かったのは、遺言の作成方法についてのご相談だったように思います。

手書きの遺言を残しておこうという方が多いのですが、
そのような方に限って、残された親族が仲良く分けてくれるか心配…という状況のようです。

手書きの遺言(自筆証書遺言)と、公証人に作成してもらった遺言には、違いがあります。
その詳細についてはコチラのページをご覧ください。

いずれにしても、せっかく遺言を残しておいても、
残された相続人が争う原因になってしまってはとても不幸ですよね。

私は、遺言を作成するにあたり、
【付言事項】【遺言執行者の選任】は必ず相談される方に勧めています。


付言事項というのは、いわば遺言に記載する、相続人に対する最後のメッセージです。
法律上の効果は何もありませんが、
「なぜ、このような遺言を残したのか?」ということや、
「相続人間で仲良く分けてほしい」など、被相続人の気持ちをメッセージとして残しておくことで、
相続人間であとから争いにならないように抑制する効果は期待できます。
遺言をただ書きっぱなしにしておくのではなく、付言事項を活用するとよいですね。

次に、遺言執行者の選任についてですが、
遺言執行者とは、遺言書の内容を具体的に実現する人のことをいいます。
遺言執行者は遺言に書かれてる内容に沿って、相続人の代理人として相続財産を管理し、
名義変更等の各種手続きを行います。
せっかく遺言を残していても、遺言執行者がいなければ、相続人間で争いがある場合に、
確実に遺言に従った相続財産の分配をしてもらえるとは限りません。
したがって、遺産の分配方法について相続人間で争いが生じそうな場合には、
あらかじめ遺言で遺言執行者を定めておくことをお勧めします。

遺言の詳細はコチラ
費用はコチラ

 <みさき司法書士事務所>

2014.06.16.

相続【yahoo!のサービス利用の停止】

最近はインターネットが普及してきているため、
若い方が亡くなった場合に、昔では考えられなかったくらい、死後事務が煩雑になってきています。

例えば私が急に亡くなった(自分で言うのも変?)場合に、
預金口座なんかは自宅に届く郵便物や所持品からなんとなくわかりますが、
インターネットやSNSでどんなサイトで登録していたか、課金されていたかなど、
ID,パスワードがわからなければ様々な契約の把握すらできず、
残された家族は大変困ってしまいますよね。
(仕事の依頼者の方が一番困るか)

最近、yahoo!で月額制の契約をしていたらしい方の相続手続きを行っている中で、
yahoo!のサービスの利用停止を行ったのですが、驚くほど簡単でした

しかも、除斥謄本や住民票の除票などの提出も、各金融機関の相続手続きと違い、
写メを撮って画像データを送信するという…なんとも現代的な手続き方法で、
ちょっと笑えました
いや~世の中どんどん便利になってきますね

 <みさき司法書士事務所>

2014.05.12.

相続【銀行預金口座の凍結】

よくいろんな人からこんな質問を受けることがあります。

「被相続人が死亡した場合、役所に死亡届を出すと、口座って凍結するの!?」

なぜか根拠がないのに都市伝説となっておりますが
実際は、そんなことはありません

金融機関では相続人から死亡の届出があって初めて、預金口座を凍結させることになります。
ですから、死亡した後も、金融機関に何も伝えていなければ、キャッシュカードでお金を降ろすことは可能です。

本人の死亡後に本人の口座からお金を降ろす行為について、
本来であれば、相続開始の瞬間からお金は相続人のものですから、
相続人の一人からお金を降ろすということは認められるべきではないのですが、
現実問題として葬祭費や最後の医療費等の清算、遺品の処分のため、仕方のない場合もあります。

ただし、キャッシュカードも最近はATM引出限度額が1日○万円までと制限がありますし、
通帳と銀行届出印があっても、窓口での高額なお金の引き出しや定期預金の解約は
本人でないとできないため、どうしても限界はありますが。。。。
ここでうっかり?窓口で本人が死亡したことを伝えてしまうと、口座はその瞬間に凍結されてしまいます。

口座が凍結した場合には、もうお金を降ろす方法は、相続手続きしかありません。
相続人が他にもいる場合には、他の相続人の協力を得て、金融機関での相続手続きを行いましょう。

以下、当サイト内の相続に関するリンクです。
ご参照くださいませ。
相続人
各相続人の相続分
相続手続き
その他相続の届出等
相続手続きを依頼した場合の費用

相続手続きをご依頼いただける場合は、戸籍等は全てこちらで収集いたしますので、
相続人様に揃えていただく書類は各相続人の印鑑証明書だけです。

 <みさき司法書士事務所>

2014.05.01.

相続【相続財産管理人の選任予納金】

先日、相続財産管理人の選任申立を行いました。

最近流行っているんでしょうか
私の周りの司法書士の友人も、「相続財産管理人事案やってるとこなんです。」という方が
多い気がします

相続財産管理人の選任申立において一番心配なのは、予納金ですよね。
申立前に裁判所に確認しても、「100万円程度です。」としか回答が得られません

管理する財産等、事案によりけりなのですが、
実際は申し立ててみないとわからないため、裁判所は多めに言っておくのかもしれませんね。

なお、預貯金や現金の相続財産が十分にある場合には、
申立書の中に「予納金は相続財産の中から支出を希望する」旨を記載しておけば、相続財産の中から予納金を支出することが可能ですが、換価しなければならない財産しかない場合には、別に予納金を支払う準備が必要です。
(予納金は、手続き終了前の時点で相続財産財団のお金が残っていれば優先的に清算してもらえます。)

そして、相続財産管理人は特に候補者がなければ裁判所に備えている弁護士さんの名簿の中から適当な方が選任されるそうなのですが、候補者を立てる場合は、上申書を添付して申立を行います。

もちろん、候補者を相続財産管理人として選任するかどうかは、裁判所の判断次第です。

大阪家庭裁判所では、原則として家庭裁判所の選任名簿の中から選ぶという運用になっているようです。

ちなみに現在大阪家庭裁判所では事件が混みあっているため、
(年がら年中混みあっている気がしますが
相続財産管理人が選任されるまでに2ヶ月ほどかかります。

特別縁故者への財産分与についてはこちら
相続財産管理人の選任申し立てについてはこちら

<みさき司法書士事務所>

2014.04.02.

相続【保険を利用した遺産相続】

こんにちは
今日もいい天気ですね~

最近
「私にはうつ病で働けず、自分で金銭管理させるには不安なひとり息子がいます。
自分の死亡後に財産を一度に相続させるとお金を一気に使ってしまい、生活できなくなる恐れがあるので、
すこしずつ相続させたいんだけど、そんな方法ありますか?」
という相談を受けました。

それなら息子さんに補助人か保佐人を選任するべく、
お母さんから申立を行うとよいのでは…?と普通に考えたら思うんですが、
権利の制限を受けるのは嫌だということなんですよね。。。。

というわけで、信託銀行に信託するしかないんちゃいますか?
と思ったんですが、いかんせん銀行の信託報酬がお高い
信託しか方法がないのか?と思っていろいろ調べてみましたら、
死亡保険の一時払いで、契約者死亡後に相続人が年金形式で受け取れる…というのがありました。
けっこういろんな保険会社で同じような商品を取り扱っているみたいです。
(ただし、受け取りの手続きの際に年金形式で受け取るという欄に
☑を入れる必要があるみたいなので、それだけが気がかりですが…。)
あまり保険のことは詳しくないので、今回は私も大変勉強になりました
ご相談者様にも大変喜んでいただき、本当に良かったです。

なお、信託の場合は、受け取り方法を一時払いとするか年金形式で分配するかの選択は、
契約の時点で固定できるようですので、そういう意味では信託の方が契約者の契約の趣旨に沿った
活用ができかと思います。信託報酬を気にしないのであればですが。

親が子供に財産を残したいけれども、いっきに相続させるのは心配…
このような相談は今後は増えてくるかもしれませんね。

 <みさき司法書士事務所>

2014.03.14.

相続【遺言を書いた方がいいのはどんな人?】

厚生労働省の人口統計では、平成24年に死亡した日本人の人数は約124万5000人と発表されています。
(ちなみに出生数は103万3000人だそうです。少子高齢化が顕著ですね

そのうち、全国の家庭裁判所に持ち込まれた相続関係の新受任件数は、
裁判所の司法統計によれば23万2534件
です。

さらに、遺言の検認や相続放棄、限定承認などの争いのない事件は除き、
遺産分割等の争いになっているケースは調停・審判あわせて1万6869件でした。

相続が開始すると18%がなんらかの家庭裁判所の手続きに関わり、
1%の人が骨肉の争いになっている計算です

家庭裁判所の統計しか確認しておりませんので、地方裁判所に継続している事件や、
訴外で話し合いが調ったケースも含めればもっともっと数は増えるはずです

残された親族が争うことのないように、できれば、遺言を残しておくことが望ましいと思います。
特に次のような方は、遺言書の作成を検討すると良いかもしれません。

①「長男の嫁」、「孫」、「内縁の妻」など、法定相続人ではない人に財産を残してあげたい。
*これらの者は相続権がないため、遺言がなければ財産は相続できません。
②両親は他界し、子供がいない場合で、妻に財産を全て残してあげたい。
*両親、子供がいない場合には、妻と被相続人の兄弟が相続人になります。
妻と兄弟との間で遺産分けについて話し合いがまとまらなければ、妻は困ってしまいます。
③先妻の子と後妻の子がいる。または、婚姻外で産まれて認知した子がいる。
*子供たちの間で話し合いがまとまらない場合があります。
④子供のうちの一部の子にだけ、結婚資金や住宅購入資金を援助している場合。
*遺言がないと、相続は法定相続分になるため、子供の間で争いになるかもしれません。
⑤一部の子供だけが親の介護をしてくれている。
*遺言がないと、相続は法定相続分になるため、子供の間で争いになるかもしれません。
⑥相続人の中に「行方がわからない者」「海外に住んでいる者」「判断能力のない者」がいる場合。
*遺産分割がスムーズに行えないため、手続きが大変煩雑になってしまいます。
遺言があればスムーズに手続きをすることができます。

他にも遺言を書いた方が望ましいような人はたくさんいるのですが、
書きだすと長くなりそうなので、ひとまずこの辺で

 <みさき司法書士事務所>

2014.02.24.

相続【相続の限定承認】

相続が発生した際に、亡くなった方に負債があれば、相続人は負債も相続することになります。

プラスの財産よりも負債の方が多い場合には、相続人は、
相続人たる地位を絶対的に放棄してしまう、相続放棄を選択することが賢明かもしれません



相続放棄手続きについてはコチラ
相続放棄関するブログはこちらです。
①相続放棄と期間の制限
②遺産分割と相続放棄
③第二順位の相続人の相続放棄



しかし、相続放棄にはデメリットもあります。

例えば、A(夫)B(妻)夫婦がA所有の不動産に居住していたとします。
突然のAの死亡により、相続が開始したところ、Aが個人事業をしていたため、
Aのプラスの財産(居住用不動産や預金等)を超える負債が大量に見つかりました…。
Bは借金を返せないので、相続放棄をしてしまいたいけれど、
相続放棄をすると、現在住んでいるA所有の不動産まで手放さなければならなくなります。
という場合。

このような場合に、検討する可能性があるのが、相続の限定承認です。

相続の限定承認とは、簡単に言えば、
被相続人のプラスの相続財産の限度で、負債を相続をすることを承認するというものです。
家庭裁判所の手続きを踏む必要があります。

これだけを聞くと、わざわざそんなややこしいことをしなくても…と思うのですが、
実は相続の限定承認には、さきほどの例のような場合にこそメリットがあります。

限定承認を行った場合、その手続きの流れは破産事件と似ていて、
相続財産管理人が選任され、相続財産管理人により、
不動産は換価され、預金は払い戻しされ、債権者に按分により弁済されます。

このときの不動産の換価方法にポイントがあります。
限定承認の場合、換価は原則として競売によることになりますが、
実は、法律が限定承認をした相続人に「先買権」というのを認めています。


先買権が行使されると、家庭裁判所の選任した鑑定人により不動産の時価が鑑定され、
その鑑定価格以上の一定の金額で相続人は不動産を買い取ることができるのです。

そうすると、先ほどの例でいくと、妻Bは居住している不動産に今後も住み続けることができ、
なおかつ、その他の負債については相続しないことができます。

これが、私の考える相続の限定承認の一番大きなメリットです。



一般的には、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからない場合に、万が一負債の方が多くても、
引き継いだ財産の中で弁済の責任を負うことができるということがメリットのように語られておりますが、
実は限定承認を行う一番大きいメリットはこの先買権の行使にあります。



私は過去に1度だけ、相続の限定承認の手続きを行ったことがありますが、
手続きとしては珍しいらしく、家庭裁判所の書記官も、債権者も、「限定承認ですか…。」といった感じで、
お互いに恐る恐る手続きを進めていく…という何とも言えない経験になりました。

しかし、需要は必ずあると思っております。

家を手放す前に、相続放棄を行う前に、諦めないで一度ご相談ください。

 <みさき司法書士事務所>

2014.01.13.

相続【遺産分割協議書の預貯金口座の記載】

こんにちは
ありがたいことに、年明けから忙しくさせていただいておりまして、本日も仕事をしております
忙しいとブログの更新がおろそかになってしまいますね

最近の相続のご依頼で、遺産分割協議書への相続財産である預金口座の記載を、
「口座番号は書かずに、支店名までの特定で作ってほしい」と言われたことがありました。

専門家としましては、遺産分割協議書を作ったものの、手続きができなければ後で困るので、
できるだけ詳細に書いておいた方が安心感があるため、そんなチャレンジはしたことがなかったのですが、
皆様いろいろな思惑があるんでしょうね
できるだけご希望に沿ったものを作ろうと思い、作成前に一応各金融機関に問い合わせをしてみました

すると、大概の金融機関から、
『「○○銀行○○支店の預金の全て」とまで特定する記載があれば、手続きできますよ!』との回答をいただきました。

口座番号まで記載しなくて良いというのは新たな発見でした。

しかし、もちろん全ての金融機関で確認したわけではありませんので、
ちょっとでも不安に思えば、遺産分割協議書作成前に、金融機関へ確認した方が良いですね

 <みさき司法書士事務所>

2013.12.19.

相続【相続させる旨の遺言について】

遺言を書く際に、気を付けるべきなのは、その文言です。

多くの場合、遺言を書くときに思いつくのが「遺贈する」とか「贈与する」、「相続させる」などの言葉です。

いずれも遺言者の死亡により、ただちに受遺者に対して所有権移転の効果が生ずる点では同様です。

しかし、対象財産に不動産がある場合には、登記手続きの点において、
相続させる」と記載する方が相続人にとって有利となることがあります。

判例では、
特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、特段の事情のない限り、遺産分割方法の指定をなしたものと解すべきであり、当該遺産は、特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡時に直ちに当該相続人に相続により承継される(最判平3.4.19)。
とあります。

これを受けて、不動産登記の手続きにおいては、
「遺贈する」と記載がある場合に、受遺者と全相続人(又は遺言執行者)との共同申請が必要であることに対して、
「相続させる」と記載がある場合には、受遺者から単独で申請することができることになります。


また、第三者に対する対抗要件の点では、
「遺贈する」と記載がある場合には、登記が対抗要件であることに対して、
「相続させる」と記載がある場合には、登記なくして第三者に対抗することができます。

以上の点から、遺言によってある特定の相続人に対して特定の財産を与えようとする場合、
「相続させる」との文言を用いた方がメリットの多いことがわかります。
このため、実務上はこの表現がもっぱら使用されています。

私も依頼を受けて遺言案を作成する際には、必ずこの表現を用います。

なお、相続人ではない人物に遺言で財産を残す場合には、「相続させる」との文言を用いたところで、
(遺言は無効ではありませんが)遺贈と同じ扱いを受けますので、前述のメリットはありません。

 <みさき司法書士事務所>

2013.10.07.

相続【税務調査について】

こんにちは。

先週の土曜日に三宮での他業種との合同勉強会に参加してきました。
税理士さんが講師で、「税務調査に関する都市伝説のウソ・ホント」というようなことを
わかりやすくお話ししてくださり、大変面白く、勉強になりました。

特に相続税の税務調査については、聞いている方が冷や汗をかくような自宅調査があったりだとか、
とにかく「そんなこと本当にあるんだ!」と思うような内容でした。
(詳しくはあまり話せませんが

財産って隠せないものなんだなぁ…と実感(笑)

そして、次回は私が講師担当になってしまったので、ネタを探さないと…

よい機会をいただけたと思っているので、頑張りたいと思います

 <みさき司法書士事務所>

2013.09.03.

相続【戸籍が出生まで遡れない場合】

相続登記をする際に、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集する必要がありますが、
ときどき、保存期間の経過や戦災による喪失などにより、戸籍が全て揃わないことがあります

こんな場合、法務局への「上申書」を相続人全員で書いて、登記申請書に添付します。
この上申書にはどんなことを書けばよいかと言いますと、



<記載事項>
■被相続人の登記簿上の住所、最後の住所地、最後の本籍、被相続人の氏名、物件の表示
■「本不動産に関する相続を原因とする所有権移転の登記申請にあたり、
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本の一部は●●●により交付を受けることができませんが、
被相続人●●の相続人はA,B,Cの他にいないことに相違ありません。
」というような旨。
■日付、相続人の住所氏名、実印での捺印
<添付書類>
■相続人全員の印鑑証明書各1通




法務局に上申書を添付する場合には、
被相続人の最後の住所と登記簿上の住所に沿革がつかない場合や、
遺言書に住所の記載がなく、登記簿上の住所との沿革がつかない場合(コチラを参照)など、
様々なケースがあります。

どんなケースであっても、根本的には記載事項は変わらないので、
あまり難しく考えることはありませんよ。

相続登記の必要書類はこちら

 <みさき司法書士事務所>

2013.08.27.

相続【相続人が高齢者だと…】

先日から成年後見申立を予定して何度か面談させていただいている方がいるのですが、
売却予定の居住用不動産が亡くなった旦那さん名義であることが発覚しました。

売却する前には現在の所有者への名義変更(相続手続)が必要です。

旦那さんとの間に子供さんがいらっしゃらないので、
その方と、亡くなった旦那さんのご兄弟との間の相続手続きになります。

ところが、その方自身95歳ですし、亡くなった旦那さんのご兄弟っていったい何歳!?
まだ戸籍を調べていないのではっきりしたことはわかりませんが、
どう考えてもご存命の年齢じゃあないんですよね…。
ということはそのご兄弟のお子さんが相続人となるわけなのですが、
それでも70代~80代くらいである可能性がかなり高いです。

話し合いができるのかな…。
そもそも遺産分割のできる方たちなのかな…。
(意思表示のできない方であれば、成年後見人を選任しなければなりません。)
など、いろんな不安が頭をよぎります

相続手続きは早いうちに…とは言いますが、痛感しました。

あ~どうなることやら。。。。

<みさき司法書士事務所>

2013.08.16.

相続【要領よい相続手続】

相続の仕事を多く受任するようになってから、
「いかに要領よく手続きを進めるか?」ということに関心を持ちました

金融機関の相続手続きって、1ヶ所ずつ順番に行うので、すごく時間がかかるんです
(戸籍や印鑑証明、遺産分割協議書がないと相続手続きができないので、
同時進行ができないんです
しかも、金融機関での相続手続きに必要な書類は、
だいたい印鑑証明は3ヶ月以内、戸籍は6ヶ月以内など、期間制限があるんです
ですから、相続手続きを早く進めないと、途中で期限切れ⇒取直しなんてことも

どの金融機関でも基本的に手続きは窓口or郵送です。
窓口に戸籍等を持って行って、その場で受付してくれるところもあれば、
いったん預かって相続センターへ送るという金融機関もあります。

各金融機関によって取り扱いが全く異なるので、要領よく、順番に手続きを進める方法を
いつも考えながら仕事をしています。まるで何かのゲームのようですね

相続手続きはスピードが大事です
相続手続きならみさき司法書士事務所にお任せください

 <みさき司法書士事務所>

2013.08.10.

相続【第二順位の相続人の相続放棄】

第一順位の相続人が相続放棄をしたことにより、第二順位の相続人が相続人となる場合において、
第二順位の相続人も相続放棄をすると、家庭裁判所に提出する書類(特に戸籍)はどうなるの?
(もっかい全部出し直しなの?

と思っていたのですが、

同じ被相続人について行う相続放棄であれば、
第一順位の相続人の相続放棄の際に提出した戸籍と同じ戸籍は提出する必要がない。
というのが大阪家庭裁判所の取り扱いのようです。

また、第一順位の相続人が相続放棄をしたことを証する書面として、
「相続放棄申述受理証明書」を添付する必要があるのかと思っていたのですが、
これについても添付する必要がありません。

申述の理由の部分で、第一順位の相続人の相続放棄の事件番号を書いておいてあげれば良いようです

実際の家庭裁判所の取り扱いは地域によって異なるかもしれませんので、
念のため、管轄の裁判所に確認をとってくださいね

 <みさき司法書士事務所>

2013.08.07.

相続【相続人が外国居住の場合】

最近、相続のご相談を受けるときに多くなっているな~と感じるのが、
「相続人の1人が、外国に住んでいるんですよ~」とか、言われるケースです

グローバリゼーションの進展に伴って、
仕事で海外に居住したり、国際結婚で海外に居住する方は年々増加しています。
(本当に素晴らしいことですね

海外に定住している方の場合は、日本に住民票がないので、印鑑登録ができません。
そのような場合に、遺産分割を行う際に印鑑証明書を提出することができないので、
代わりに、「サイン(署名)証明」というものを提出することになります。


サイン証明とは…?

日本で住民登録をしていない海外在留者に対し、日本の印鑑証明に代わるものとして、日本での手続きのために発給されるもので、申請者の署名(及び拇印)が確かに領事の面前でなされたことを証明するものをいいます。


どこで取得できるの…?

日本国籍で、海外に在留している方の場合⇒海外にある現地の日本領事館



これからの時代は司法書士もグローバル化しないといけませんねっ

 <みさき司法書士事務所>

2013.07.16.

相続【不在者財産管理人による遺産分割をした場合の登記】

遺産分割は、相続人全員で行う必要があります。

相続人のうちの誰かに、行方不明者(不在者)がいる場合は、遺産分割を行うことができないため、
家庭裁判所へ申立をして、不在者財産管理人を選任し、不在者財産管理人に
遺産分割協議に参加してもらって、遺産分割をすることになります。

そして、不在者財産管理人を選任した遺産分割協議をもとに相続の登記を申請する場合は、
通常の相続時に必要な添付書類の他に、次の書類を法務局へ提出する必要があります。

■不在者財産管理人の選任審判書
■不在者財産管理人の権限外行為の許可書

*不在者財産管理人が遺産分割を行う場合は事前に家庭裁判所に権限外行為の許可を申し立てる必要があります。
■不在者財産管理人の印鑑証明書
弁護士さんが不在者財産管理人となる場合に、よく弁護士会発行の印鑑証明書を持ってこられることが多いのですが、法務局で提出が求められているのは官公署発行の印鑑証明書であって、弁護士会は官公署ではないため、取り扱ってもらえません。ですから、裁判所が発行する不在者財産管理人の印鑑証明書か、弁護士さん個人の実印の印鑑証明書と弁護士会発行の住所・氏名・事務所住所が併記された証明書をセットで添付する必要があります。


通常の相続登記に必要な添付書類はコチラをご覧下さい。

 <みさき司法書士事務所>

2013.07.12.

相続【外国人の遺言】

おはようございます
最近、朝に事務所でコーヒーを飲みながらブログを更新するのが定番になってしまいました

外国に住む外国籍の人が外国籍の者に遺言を書く際に、
相続財産として日本の不動産が含まれる場合、
どうすればいいでしょう?という相談を昨日受けました。

基本的には、本国の法律に則って遺言を有効に残していただければ、
登記を申請する際には、遺言書全文、被相続人の戸籍、受贈者の住所証明書などを
翻訳文を添付して申請すれば、登記できます。
法務局によっては、準拠法がわかるように、
本国法の翻訳文を添付してくれと言われる場合もあるようです。

いずれにしても、本国法に則ってきちんと遺言を残していれば、
日本の不動産であってもきちんと遺言に従った名義変更は可能です。

 <みさき司法書士事務所>

2013.06.19.

相続【ゆうちょ銀行の遺産分割】


遺産分割の方法はいろいろありますし、基本的には自由に分けていただいていいと思うのですが、
遺産分割の方法によっては金融機関では受け付けてもらえないこともあります

ゆうちょ銀行ではこんな遺産分割も受け付けてもらいました


定額貯金

1番 20万
2番 10万
3番 50万
4番 15万
5番 20万

*金額は例です。


上記のような、定額貯金を枝番で分けて貯金されていた被相続人の相続手続きにおいて、
「Aが1番、2番、3番を相続し、Bが4番、5番を相続する。」旨を遺産分割協議書に記載して、
A、B名義の定額貯金通帳を発行することにより定額貯金を引き継ぐことに成功しました。

法律上は当然だと思うのですが、
実務上は金融機関に断られてできない分割方法というのもよくあります。
だいたいの場合は無理なら全額払い戻しをして現金で遺産分割してしまうことのほうが多いのですが、
今回は金利が良いときに貯金した定額貯金だったため、
満期までは解約したくない!という相続人側の強いご意向でこのような分割方法になりました。
ゆうちょ銀行での上記のような遺産分割をするのは初めてだったのですが、
受け付けてもらえるんですね。
勉強になりました

<みさき司法書士事務所>

2013.05.23.

相続【特別代理人は誰に依頼すればよいか】

遺産分割協議を行う際に、相続人の中に未成年者とその親権者が含まれる場合には、
未成年者と親権者との間で利害が対立してしまうため、親権者は未成年を代理できず、
家庭裁判所に申立を行って、未成年者のために特別代理人を選任する必要があります。

特別代理人というのは、その遺産分割のためだけに選任される者であって、
ずっと未成年者の代理人の地位が続くわけではありません。

では誰に特別代理人になってもらえばよいかというと、
未成年者と利害対立関係にない限り、別に誰でもかまわないのです。

だいたいみなさん祖父母や親戚にお願いすることが多いようなのですが、
弊事務所においては、司法書士が特別代理人になることをお勧めしています

なぜなら、書類や遺産分割協議書への署名捺印を集める際に、第三者が入っていると、
手続きに時間もかかりますし、手続きの途中で期限切れとなった印鑑証明書を
再度取得してもらう際などに何度も依頼しにくい…ということが懸念されるからです。
(そもそも頼みにくい人に依頼するのが間違っているんですけど

特別代理人に司法書士を選んだら別料金がかかるでしょ?と
思われるかもしれませんが、弊事務所ではいただいておりません。

なぜなら、弊事務所としましても、司法書士を特別代理人に選任してもらった方が、
手続きが迅速に進められるので、正直なところありがたいのです。

特別代理人の選任をお考えの場合、
特別代理人になってもらう人は、「頼みやすい」「協力的」「動きが早い」人に
お願いすることをお勧めします。

 <みさき司法書士事務所>

2013.05.21.

相続【ひとり遺産分割協議?】

1人で遺産分割協議をするって変な感じですが、以下の事例のような場合には有効です。

【事例】(数次相続が続いて、最終的に相続人が1名となったケース)
不動産の名義:被相続人A  Aの相続人は妻B、子C、子Dの3名
A死亡後にBが死亡し、続いてCが死亡。
Cには妻子がおらず、最終的にDが相続人となった場合。


このような場合に、A名義からD名義に1回の登記申請で名義変更するにはどうすればよいか?

ここで、ひとり遺産分割協議という話が出てきます。

以前、数次相続が発生している場合の遺産分割協議書の書き方についてブログで少しお話しました。
(過去記事はコチラ
それを、本事例においても利用するんですね

そうすると、最終的には相続人Dが一人で決議している状態になります。
このひとり遺産分割協議書を添付しない限り、1回の登記申請でDへ名義変更することはできません。

本来、
①A名義→B、C、D名義に変更
②B持分名義→C、D名義に変更
③C持分名義→D名義に変更
という順番で行うべき登記申請を、遺産分割協議を行うことにより直接Dの名義にすることができるのであって、
当然にD名義に変更できるわけではありません。

相続人(及び数次相続人)が1人しかいないのに、遺産分割協議というと、少し不思議な感じもしますが、
実務上はこのような取り扱いとなっております。

 <みさき司法書士事務所>

2013.04.25.

相続【死亡保険金の受領は相続か?民法と税法の違い】

被保険者が死亡したことにより死亡保険金を受領するのはよくあることですが、
これは相続の対象となるのでしょうか?

これは説明するのが非常にややこしいのですが、
「民法上は相続ではないが、税法上は相続となりうる」というのが答えです。

民法上は、死亡保険金は相続人の固有の財産です。
相続により承継した財産ではありませんので、相続財産とは扱われません。

もっと言っちゃうと、相続放棄しても死亡保険金は受け取れるんです!!!

ところが、税金となると話は別です。
保険料を支払っていた人、被保険者、受取人の関係によって、どんな税金の課税対象になるかが異なります。




【死亡保険金の課税関係】*BがAの相続人であり、Aが死亡した場合

保険の負担者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
Bさん Aさん Bさん 所得税
Aさん Aさん Bさん 相続税
Bさん Aさん Cさん 贈与税


そういえば祖母が亡くなった際、母が祖母の死亡保険金を掛けていたせいで、
母に所得税がかかってしまって税金の支払いが大変でした。

祖母が自分で保険を掛けていれば、税法上は相続として扱ってもらえたはずなので、
控除も大きいし、所得税払わずに済んだのに~なんて思っていました。
後の祭りですけど

相続税の対象になる死亡保険金についてはコチラをご参照ください。


税金については専門外ですが、相続のご相談を受けるときにはよくご質問を受けます。
なので、最低限の知識はつけているつもりなのですが、
司法書士が責任をもって答えることはできませんので、詳しくは税理士さんにお尋ねくださいね


<みさき司法書士事務所>

2013.04.17.

相続【特別縁故者不存在確定による共有者への持分移転】

以前より依頼を受けておりました登記がいよいよ大詰めのところまでやってきて、
ほっとしている今日この頃です。

どんな登記かといいますと、
民法255条では、不動産の共有者が相続人なくして死亡した場合、他の共有者に権利が帰属すると定められています。
(特別縁故者が財産分与の申立を行い、特別縁故者への財産分与がなされた場合には、特別縁故者に帰属します。)

その民法255条の定めを体現化したような登記です。
「亡くなった人の持分を他の共有者に持分の割合に応じて所有権を帰属させる。」という登記です。

一見簡単なように思えますが、前提として次のような手順を踏みます。

①被相続人の名義を「亡●●相続財産」名義に変更
②共有者に住所氏名の変更がある場合はその変更登記
③共有者に相続が発生している場合には、相続登記
④特別縁故者不存在確定による持分移転の登記

現在の正しい共有状態にしてからの手続きになりますので、
共有者がたくさんあるような不動産でしたら、かなり大がかりな手続きになりました。

共有者の中に一人でも協力してくれない人がいたら、
④の前提となる②、③の登記ができないので、手続きができなくなってしまいます。

なので、はらはらどきどきしながら手続きを進めてきたわけなのですが、
なんとか最後の前提登記を終えて、
次はいよいよ「特別縁故者不存在確定の登記」というところまでやってきました。
私の心はもうクライマックスです(笑)
何度も相続登記を繰り返すうちに、帰属する持分の分母のケタも16ケタ超えてて、
もうわけがわからない状態です

正直なところ、こんなに複雑な登記をしたことはなかったので、
ここまでくると登記は職人芸なのではないかという錯覚すら抱いてしまいます。

難しい登記であればあるほど燃えてしまうのは、職人魂なんですかね?



特別縁故者制度についてはコチラ
手続きの詳細についてはコチラをご参照ください。




<みさき司法書士事務所>

2013.04.11.

相続【代表相続人を定める遺産分割協議書】

最近、相続の手続きを行う中で得たノウハウなのですが、

共同相続人ABCDEがいる場合に、遺産分割協議書の中で、
「Aは○○銀行○○支店…を相続する。」と書いている場合には、
Aは単独で預貯金の相続手続きを行うことができます。

しかし、「相続人全員で5等分する」とか、「A,B,Cが各3分の1の割合で相続する」など、
数名でその預貯金を相続する旨を定めた場合、
実際に金融機関の手続きを行う際には、再度、その相続した人から代表相続人(手続きを行う人)に宛てて、
金融機関の定型の代表相続人選任書類に実印で署名捺印する必要があります。
CDFが非嫡出子だったり、前妻の子だったりする場合だと、何度も頼みにくいですよね

この手間を省くための方法として、

遺産分割協議書の中で、手続きを行う代表相続人を定めてしまう方法が有効です。
(某金融機関に確認したところ、この方法で問題ないとのことでした。)

つまり、前述の例でしたら「相続人全員で5等分する。なお、代表相続人はAとする。」とか、
「A,B,Cが各3分の1の割合で相続する。なお、代表相続人はCとする。」というような記載になります。

ぜひご参考になさってください

 <みさき司法書士事務所>

2013.03.27.

相続【被相続人に子どもがいない場合の相続人は…】

今日はびっくりしてしまいました。
相続登記を行う際に必要となる固定資産評価証明書を取得するために、
相続人からの私宛の委任状と相続関係のわかる戸籍を持って大阪市内の某市税事務所へ行きました。
ちなみに委任状をもらった相続人は、被相続人の兄弟にあたる方でした。

すると…窓口の方が戸籍を見るなり、「配偶者生きてるじゃないですか!配偶者がいる場合は配偶者が第一順位の相続人ですから、兄弟姉妹は相続人になりませんよ!」と自信満々に言うではないですか。。。。

そんなこと言われたら、私だって一応法律家なんですから黙って諦めるわけにはいきません

「配偶者には相続に順位という概念がなく(生きている場合は常に相続人)、
第一順位の相続人は子、第二順位の相続人は親、第三順位の相続人は兄弟姉妹であり、
今回は子がおらず、親も死亡しているので、配偶者はもちろんのこと、兄弟も法定相続人なんですよ~」
ということを説明し、なんとか納得してもらって、固定資産評価証明書を取得してきました。

そこにいた窓口担当10名くらいが全員で私を疑うので、
「そんなに信用できないなら民法の条文を確認してください」と言って確認してもらったものの、
それくらい当然に知っているだろうと思っていたので、本当に驚きました。

こんなこともあるんですね。

法定相続人についてはこちらに詳しく記載しています。ご覧ください。

 <みさき司法書士事務所>

2013.03.19.

相続【数次相続がある場合の遺産分割協議書】

よく、ご相談にお越しいただく方が、「自分なりに作ってみました!」と
自作の遺産分割協議書を持ってきてくださることがあります。

今はインターネットが普及していることもあって、ちょっと調べたら情報が入手できるため、
だいたい皆様、合格ラインの遺産分割協議書を作成されています

ところが、数次相続が発生している場合の相続の際の遺産分割協議書の記載については、
やはり誤っている…というか、文言が足りていらっしゃらない方がよくおられます



数次相続ってなぁに?という方はコチラ



数次相続が発生している場合には、

「平成○年○月○日上記被相続人の死亡によって開始した相続におけるA,B,Cは、
その相続財産について、本日、下記の通り遺産分割に同意した。
なお、Aについては平成△年△月△日に死亡しているため、
その相続人としてD,E,Fが遺産分割協議に参加している。


といったように、数次相続が発生していて、
その数次相続人が遺産分割に参加していることがわかるような記載が求められます。
これは任意ではないです。金融機関はどうかわりませんが、登記なら絶対通りませんから(笑)

いろいろな情報が混在しているものですから、正しい情報のみを拾うというのも、
ある意味難しいことなのかもしれませんね

<みさき司法書士事務所>

2013.03.18.

相続【相続人なく死亡したらどうなる?】

相続人なくして死亡すると、
原則として、相続財産は国庫に帰属します。

しかし、「相続人ではないが、特別な縁があった人」は、特別縁故者(とくべつえんこしゃ)と呼ばれ、
裁判所に申し立てを行うことによって、財産の分与を受けることができます(民法958条の3)。
(相続人になれるわけではないので、全部の相続財産が分与されるというわけではありません

不動産の共有者の一人が相続人なくして死亡した場合、国庫に所有権の一部が帰属するのって、変ですよね?
ですから、民法958条の3には例外があって、特別縁故者への分与の審判がされなかった場合には、
他の共有者に権利を帰属させることができます。

相続人不存在の場合の手続きは、被相続人が死亡した場合に当然に手続きが進んでいくのではなく、
利害関係人から裁判所への申立があって初めて手続きが行われることになります。

利害関係人とは、例えば、特別縁故者であったり、不動産の共有者であったり、
被相続人の債権者などが挙げられます。

相続人不存在の場合の手続きはこちら

相続財産が現金のみという方であれば、手続きは容易なのですが、
不動産もある方の場合には、登記は少し複雑になります。
お心当たりのある方はぜひ弊事務所にご相談ください。

<みさき司法書士事務所>

2013.03.12.

相続【自筆証書遺言に住所の記載がない場合】

自筆証書遺言の様式は、民法上、
「遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押す。」とだけ定められており、
最低限、全てが自書されており、日付と氏名があれば遺言は有効なもののように思えます。

しかし、その遺言が登記申請に利用できるかどうかは別問題です。

なぜなら、遺言が登記原因証明情報となるためには、
「物件の表示が明確か」「登記簿上の住所と遺言者の住所が一致するか」など、
登記官の審査をクリアしないといけません。

前者については理由は明確ですね。
後者については、登記簿上の人物と遺言者が同一人物であることが確認できないからです。

民法上住所は要らないとしているのに、住所が書かれていない遺言は登記できないとなると、
遺言の意味がありません。

この点につき、大阪法務局に問い合わせてみたところ、
登記研究548の質疑応答を踏まえて、
「住所の記載がなくても、登記済証と遺言者の戸籍の附票を添付して、同一性の確認がとれれば、それで足ります。
遺言者の本籍と登記簿上の住所が一致している方であればそれでも同一人物と伺えますので、ひとつの証拠になります。
これらの書面を添付して、受贈者からだけの上申書で足りますので、住所に沿革がつかない場合と同様の上申書を提出して下さい。」と言われました。

ほっとしました。

遺言を書くときは、ぜひご注意ください。

弊事務所の遺言に関する業務案内はこちら

<みさき司法書士事務所>

2013.03.07.

相続【前妻(前夫)の子は嫡出子?非嫡出子?】

嫡出子と非嫡出子は、法定相続割合が2:1と民法900条4号で定められており、
相続分に格差があります。

嫡出子とは、婚姻関係にある男女間の子を意味します。
対して、非嫡出子とは、婚姻関係にない男女間の子を意味します。

離婚や配偶者の死亡により再婚した場合には、
前妻(又は前夫)との間に生まれた子は嫡出子ということになります。

ときどき、「前妻(又は前夫)との間に生まれた子は、相続分は半分ですよね!?」
なんて聞かれることがありますが、それは間違いです
相続の話し合いをされる場合には、お間違いのないようになさってください。

ところで、この民法900条4号で定められた嫡出子と非嫡出子との相続格差について、
最高裁は平成7年に大法廷で「合憲(憲法違反ではない)」と判断し、
その後も同様の事案について何度か最高裁の小法廷で「合憲」と判断されていますが、
この度また同様の事案の審理にあたり、第一小法廷が審理を大法廷に回付したことから
判例が変わるのではないか!?なんてニュースになったりしているようですね。

やはり時代が変化すれば、判例も次第に変わってゆくこともあるのかもしれませんね。

 <みさき司法書士事務所>

2013.02.26.

相続【不動産の相続と売却を予定している場合の遺産分割】

不動産の相続登記の依頼を受けた場合には、以下の点に留意しています

「相続した不動産は売却予定かどうか?」です。

もし売却予定であれば、「売却代金を相続人で分ける予定はありますか?」と必ず質問します。

相続人が複数いる場合であって、
不動産を売却して売却代金を分けるという遺産分割(換価分割)をする場合には、
相続の名義変更は法定相続人全員の名前で名義変更しておくことが望ましいからです。


不動産を売却するにあたり、売主が多数であれば売買手続きも全員で行う必要があり、
決済当日も原則として全員出席しなければならないなど、面倒くさいことも多々あります。


しかし、だからといって、不動産の名義変更を行う際に相続人のどなたか一人の名義にしてしまうと、
不動産の譲渡所得税は名義人となっていた者にのみ課税されることになるのです。
つまり、売却代金を全員で分けたのにも関わらず、特定の相続人にのみ支払い義務が生じてしまうことになってしまいます。

しかも、売却する不動産は相続人がそこに住んでいない不動産である場合が99%ですので、
居住用不動産を売却した場合の控除も適用されず、想像以上に譲渡所得税がかかってしまいます。
*逆にそこに住んでいた方が相続人の中にいる場合には、その方の名義にしてから売却すれば、
譲渡所得税がかからないこともあります。

そして、ここまで書いておいてなんですが、
換価分割であることを遺産分割協議書に明記しておけば、
不動産を売却するにあたり、便宜上、特定の相続人の名義に相続登記していたとしても、
譲渡所得税の申告は相続人各自が行うことで、
相続人の1人だけが売却代金の全額について譲渡所得税が課税されるということはないようです。

いずれにしても、誰の名義に変更するのが譲渡所得税対策としてお得なのか?
換価分割の場合に、遺産分割協議書はどのように記載しておくべきなのか?

相続したお金を少しでも守るために、注意しなければなりませんね。

 <みさき司法書士事務所>

2013.02.16.

相続【遺産分割協議書作成についてよくある勘違い】

遺産分割協議書の作成について、よく質問されるので、特に勘違いされていることについて、書きたいと思います。

①遺産分割協議書は1枚に全員が連名で署名捺印する必要はない!?
遺産分割協議書は、1枚の書面に相続人全員が署名捺印して作成する必要はありません。
同じ内容の遺産分割協議書を数枚作って、1人が1枚に署名捺印してもかまいませんし、
例えば、相続人5人のうち3人が1枚の書面に連名で署名捺印し、
残りの2人が1枚の書面に連名で署名捺印する形で作成してもかまいません。
要は、ちゃんと同じ内容の話し合いができていることが証明されれば良いわけです
相続人が全国各地に散らばって住んでいる場合に、1枚の書面を郵送で回していたら時間がかかってしまいますよね?私だったらこんなときは、1人が1枚に署名捺印すればよいようにして、人数分の遺産分割協議書を作成していますよ

②ひとつの遺産分割協議書ですべての相続財産を遺産分割する必要はない!?
遺産分割協議書は、協議のたびに作成するものですから、協議がまだ調っていない財産については
記載する必要はありませんし、銀行用(預金口座についてのみ記載)、法務局用(不動産についてのみ記載)と分けて作成しても全く問題ありません
そうは言っても、相続人の間で何度もやりとりするのが億劫な場合でしたら、
1度で全て終わらせてしまいたいものですけどね

③遺産分割協議書に、預貯金口座の残高を記載する必要はない!?
遺産分割協議書に記載する財産は、特定できればそれで足りますから、
預貯金や株式については残高を記載する必要はありません。
一般的に残高を記載するのは、相続人の間で、お互いに財産を把握しておきたいから?でしょうかね。
預貯金の残高を記載する場合は、通常は被相続人の死亡した日の残高証明を取って、それを記載することになります。
そうすると、死亡した日以後の利息や配当なんかについては誰が相続するの!?という話になってしまいます。
ですから、死亡した日以後の利息や配当についてもちゃんと遺産分割協議書の中で相続する人を特定できるようにしてあげましょう。
具体的には、「○○銀行○○支店 口座番号×××× 残高△△△円及び相続開始後に発生した利息その他受け取るべき金額の全て 」という感じで書いておけば十分足ります。

金融機関によっては遺産分割協議書があっても預貯金の解約には相続人全員の署名捺印が必要というところもあるので、
遺産分割協議書を作成するときには事前によく確認してから作成されることをおすすめします。

<みさき司法書士事務所>

2013.02.02.

相続【専門家に相続手続きを依頼する場合の比較】

こんばんは。
今日、知り合いが信託銀行で相続の手続き(預貯金の払い戻し手続き等)を依頼されたと聞き、
そのかかった費用の額を参考までに尋ねたところ、150万くらい…とのことびっくりしてしまいました
(ちなみに弊事務所ではそんなにいただいておりません。。。)

最近は相続の手続きは信託銀行でも行っておりますし、弁護士さん、司法書士、行政書士さん、税理士さん(もやってるのかな?)など、様々な機関で業として行っていますね

すべての相続人から依頼を受けて行う預貯金の払い戻しでしたら、争いもないでしょうし、どの機関を利用してもいいでしょうね。あとは信用と、費用の問題ですかね?
多少費用が高くても、ネームバリューのあるところがいいという人もいらっしゃるでしょうし、できるだけ安く手続きをして欲しいという人もいるでしょう。
しかし、どの機関に依頼しても、預貯金の手続きに関しては、結果は同じですよ
エステサロンで脱毛するか、皮膚科で脱毛するかの違いのようなもんです。
(ちなみに結果は同じでも皮膚科に行くほうが圧倒的に安いですよね(笑))

あとは、相続手続きの一環として、不動産の名義変更が入っているのであれば、
最初から司法書士にご依頼いただければ、話が早いかもしれません。
(結局は登記の依頼だけ司法書士に外注されていることが多いので、余計ややこしかったりします

相続人間で争いがある場合には、最初から弁護士さんのところへ相談へ行っていただきたいです。
遺産分割調停の話になってくると思います。

今後は相続の手続きを行う方自身も高齢である場合が増えてくると思いますので、
どこへ相談していいのかわからない、ということにならないようにしていきたいですね。

 <みさき司法書士事務所>

2013.01.29.

相続【自死遺族支援】

こんにちは。
昨日も大阪司法書士会の研修を受けてきました

昨日は弁護士の先生をお招きして、
「法律専門職による自死遺族支援の取り組み」についてお話を聞かせていただきました。

自死遺族をとりまく法的問題には特殊性があり、
通常の相続のご相談をいただく場合に比べて、
例えば、自死の方法によっては損害賠償請求されるかもしれないという問題や、
労災請求や生命保険の請求ができるかどうか、
借金はなかったかどうか(連帯保証人はいるか)、
自死の原因によっては損害賠償請求ができるかどうか、、、など、
たくさんの法的問題が絡まりあっています。

そして、これらの問題に対処するにあたって、
遺族の方の体調や精神面に無理のないように配慮しながら取り組まなければならない点、
他の相続のご依頼の場合と比べて大変対応が困難となります。
この、メンタル面に配慮できるかどうかというところは、
法律専門職がどの程度、うつ病、自死問題や自死遺族支援について理解があるか、
対応スキルがあるかで変わると思います。
まだまだ私にはスキルが足りていないと思いますので、
もっと深く学んでいかないといけないな~と感じております。

ところで、私いままで知らなかったのですが、

生命保険は、自死の場合は支払われません(保険法第51条1号)。
(もちろんこれは知っていましたよ。)
生命保険約款でも、通常は保険者の責任開始の日から3年以内に自死した場合には
支払わないとしていることが多いのですが、実は、例外があります。

うつ病に罹患していたことにより自由な意思決定によって自己の生命を絶ったものとはいえない場合
には、免責期間内の自死でも生命保険が支払われることがあります。

(大分地裁平成17年9月8日判決、奈良地裁平成22年8月7日判決)

これは私も知らなかったです。
まぁ、生命保険の代理請求は司法書士の職域ではないのですが、
知識としてはへぇ~と思いましたので、忘れないようにここに残しておくことにします


 <みさき司法書士事務所>

2013.01.21.

相続【預貯金の相続】

預貯金の相続手続き(口座の名義変更や解約)は具体的にどう進めたらよいのでしょうか。

預貯金や株式等の口座は、名義人が死亡したことがわかると、すぐに口座が凍結してしまいます。
凍結後に預貯金を解約したり、現金を引き出そうとするときは、相続の手続きが必要になります。

不動産の名義変更を行う場合は、相手は法務局ですし、全国一律申請の様式はほぼ同じなのですが、金融機関の場合には、相続の手続きを行うにあたり、様式が金融機関によって様々です。
ですから、ご自身で手続きを行う場合には各金融機関の窓口へ行って、相続の手続き書類をもらってくる必要があります。

申請書は金融機関によって異なりますが、共通して必要な書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍と、相続人の戸籍、相続人の印鑑証明書です。
戸籍は相続人のうちの1人でも取得することができますが、印鑑証明書だけは他の相続人の協力が必要になりますから、できるだけ早めにお願いしておくとよいでしょう。

預貯金等の相続は、遺産分割をしない限りは、法定相続分での相続になります。
金融機関によっては、法定相続人ごとに、法定相続分のお金を振り込んで支払ってくれるところもありますが、代表相続人への全額支払によって対応する金融機関もあります。
この場合に誰を代表相続人とするかは、よく話し合っておきましょう。

ご自身で手続きをするのが困難な場合には、弊事務所でも手続きを行うことができます。
金融機関の書類収集から戸籍の収集まで全て弊事務所で行います。
お困りごとがございましたらぜひご相談ください。

みさき司法書士事務所>

2013.01.20.

相続【内縁配偶者の相続権】

内縁配偶者に相続権はありますか?

という質問について、
答えは、原則として相続権はありません。

民法では、相続人は被相続人の妻の他に、
第一順位
第二順位子がいないときは親
第三順位親がいないときは、兄弟姉妹
が相続人になるという旨が定められています(法定相続人といいます。)。
(妻が離婚や他界でいない場合には、子、親、兄弟姉妹が順番に相続権を獲得します。)

そのため、被相続人に内縁の配偶者がいた場合でも、上記のように、
相続権は法定相続人にあるため、内縁配偶者は相続人になることができません。

ただし、例外があります。
法定相続人が誰もいない場合に限ってですが、
特別縁故者である旨を裁判所に申し出て、認めてもらうことができれば、
内縁の配偶者にも相続権が発生する場合があります。

手続きや判例にについてはコチラのページをご覧下さい。

いずれにしても、手続きは時間もお金もかかりますし、
相続人がいない場合にしか認められていない制度ですので、
一番有効なのは、遺言を書いておいてもらうということでしょう。

遺言についてはコチラのページをご覧下さい。

内縁の配偶者が亡くなって、その法定相続人たちから、
被相続人と一緒に住んでいた被相続人名義の家を追われる…なんて最悪のケースにならないように、
日頃から、よく相続のことを話し合っておくのもよいかもしれませんね

 <みさき司法書士事務所>

2012.12.25.

相続【戸籍】

この3連休の間に、「永遠の0(ゼロ)」という小説を読みました。
以前から読みたいと思っていたため、読めて良かったです。

もうご存知の方も多いかと思いますが、
この本は自分の実の祖父が太平洋戦争の特攻隊として戦死したということを知った孫が、
当時の祖父を知る人を探して訪ねて、祖父や戦争の話を聞いてまわるというストーリーです。

来年は映画化もされるそうですね。
絶対観に行きたいと思います。

この本を読んで、ある相続登記をするために戸籍を辿っていたときのことを思い出しました。

ある女性の相続の登記を息子さんから依頼を受け、戸籍を収集していたときのことです。
息子さんからは、「母は前夫が亡くなっての再婚だと聞いています。前夫との間に子はいません。」
とだけ伺っていたため、それを頭に置いた上で、戸籍を辿っていました。
すると、戸籍からわかった事実では、亡くなった前夫は、「太平洋戦争でのとある海上での戦死」であり、
かつ、婚姻日は戦死される日の前日だったのです。
戦死された方の戸籍を見たのは初めてではなかったのですが、さすがにこれには胸が痛みました。
お二人の間にどれだけのドラマがあったのでしょうか。

出兵前日に、戦死するかもしれないと覚悟した上で婚姻届を役所に出したのでしょうか。
なんだか、映画の世界のような出来事ですが、
本当にあった出来事なんだと思うと、涙が出てきました。

依頼者でもある息子さんにこの戸籍からわかる事実を話すと、
「それは知らなかった」と感極まっておられました。

今の時代は、当時では考えられないほど平和な時代なのだなと思い、
平和な時代に生きていることを感謝しなければならないと改めて感じました。

 <みさき司法書士事務所>

2012.12.21.

相続【遺言のある相続の手続き】

遺言で遺産を贈与することを遺贈と呼びます。

不動産の遺贈の場合、不動産の名義変更の申請を誰が行うのかについて、問題が生じます。

不動産登記は登記義務者と登記権利者の共同申請が原則ですから、原則通りにいけば、遺贈をした者と遺贈を受けた者の共同申請で行います。
ところが、遺贈をした者は既に亡くなっていますから、義務者がいません。

このような場合には、相続人全員が被相続人の有していた登記協力義務を承継することになり、相続人全員と遺贈を受けた者との共同申請により登記申請を行うことになります。

しかし、現実問題として、相続人全員が遺言の内容に納得し、遺贈を受けた者への所有権移転登記に協力してくれるかどうかについては、いささか疑問が生じます
(受贈者が相続人以外の第三者であれば、なおさらです

本来なら、そんなときに備えて、遺言執行者を遺言で定めておくことが最善です。
遺言執行者が居れば、遺言執行者と遺贈を受けた者との共同申請で不動産の名義変更が可能となり、相続人の中に非協力者がいたとしても、無事に名義を受贈者の名義とすることができます。


しかし、相続が始まって、いざ遺言を発見してみたら、遺言執行者が定められていないことが多々あります。

このような場合には、相続発生後に、利害関係人からの申立で、遺言執行者を選任することも可能です。もちろん、遺贈を受けた者も利害関係人に含まれます

当事務所では遺言執行者選任の申立から、遺言執行者としての就任、遺言の執行まで行うことができます。
遺言を発見された場合には、ぜひ一度ご相談ください。

 <みさき司法書士事務所>

2012.12.11.

相続【森林の相続】

今年の4月から、森林を売買や相続で取得した際には市町村長への事後届出が必要となりました。
面積に関わらず届出をしないといけないので、個人の方にも関係してくることなのです。

森林の相続というのは、意外と多いんですよ。
都会に住んでいる方でも、地方出身で先祖代々の土地(山?)を受け継いでいるという方は意外にいらっしゃるんです。
あとは、バブルの時代に別荘地を購入された方ですね。
地目は山林という場合がかなり多いので、これも相続が発生した場合には届け出が必要です

届出期間は所有者となった日から90日以内…となっているようですが、
起算点はいったいいつなんでしょうか?
民法では相続が発生すると当然に相続財産を相続することになっていますので、
「所有者となった日=相続の発生の日」と考えるのでしょうか?
あるいは、遺産分割をして、相続する人が決まった日からで良いのでしょうか?

今、成年後見人の仕事をしていて、届出しないといけないものが1件あるのですが、
相続発生の日からは半年以上経ってしまっていますので、
なにか言われないか心配です
いずれにしても、罰則は特にないようなので、ほっとしました。

森林の届出について、詳しくは林野庁のHPをご覧くださいね。

 <みさき司法書士事務所>

2012.11.29.

相続【遺産分割と相続放棄】

 最近、遺産分割相続放棄について、混同されている方が多いように見受けられます。

 ご相談者様「相続放棄が…」
 私      「うんうん…」

 と聞いていて、
 「え?それ相続放棄する必要ないよ!?」 あるいは
 「それ、相続放棄って言わないよ?」 みたいなことが結構あります。

 民法上、相続放棄と呼ばれるものは、簡単にいうと、①相続財産のうち、積極財産(プラスの財産)より消極財産(負債)が多い場合②被相続人の相続関係に巻き込まれたくない場合などに、家庭裁判所の手続きを踏んで、相続権を絶対的に放棄するものです。(こちらを参照してください。)
 お金も時間もかかるし、めんどくさ~い手続きなんです。
 なので、被相続人が多額の負債を残して亡くなった場合に、負債を相続してしまわないように、この手続きが多く利用されています。(この手続きを踏めば、債権者から相続人に対する督促もなくなります。)

 みなさんが相続放棄とよく混同されているのは遺産分割です。
 遺産分割というのは、相続人全員で、預貯金は誰が相続するか?不動産は誰が相続するか?など、相続財産を分けることをいいます。
 (遺産分割についての話し合いを遺産分割協議といい、これを書面にしたものを遺産分割協議書と呼びます。)
 相続財産の全てを特定の1人に相続させる協議をしてもよいし(もちろん全員が賛成していることが前提です。)、法定相続分とは異なる相続割合を自分たちで決めてもかまいません

 単純に、相続権を他の相続人に譲るというだけなら、遺産分割です。

 たとえば、相続人間で「この不動産は私たちはいらないから、長男であるお兄ちゃんの名義にしておいたら?」というような場合や、「預貯金は老後のためにお母さんが全部相続したらいいんじゃない?」というような場合には、相続しない他の相続人について、わざわざ相続放棄の手続きをさせなくても、遺産分割協議で話しあって、相続財産を分けたらよいのですよ

 無料法律相談会で来られたご相談者様にご質問を受けたこともありますし、ご相談を受けた中には、不動産を長男名義にするために、既に相続放棄の手続済という人もいらっしゃって、「わざわざ長男以外に相続放棄の手続きさせたんですか!?!?!」と、本当に驚きました

 相続って、誰にでも起こるものなのに、学校で習うことってありませんもんね。
 たまたま民法を勉強できる機会があった方には、ぜひ、教養として民法を学んでいただきたいです。

 <みさき司法書士事務所>


2012.11.21.

相続【数次相続と代襲相続】

Aについて相続が発生したときに、本来生存していれば相続人になれたであろう人物(子B)が①既に死亡している場合や、②相続の手続を行う前に死亡してしまっている場合がときどきあります。


『代襲相続』
このような場合を代襲相続と呼びます。 
Aが死亡した場合に、子Bが既に死亡しており、Bに代わってBの子C(Aから見れば孫)が相続人となるケースです。
子Bや孫Cにあたる人物が複数いる場合には、その人数で頭割りします。
(ただし、非嫡出子と嫡出子の割合は1:2です。)

『数次相続』
このような場合を数次相続と呼びます。
Aの死亡後、相続の手続きを行う前に子Bが死亡すると、いったんBがAを相続して、その相続権をBの相続人がさらに相続する…というイメージですので、Bに配偶者がいれば、Bの子だけでなく、配偶者もAの相続に関して、相続権を取得します。



代襲相続と数次相続で一番大きな違いは、亡くなった者(例でいうとB)の配偶者にも相続権があるかどうかです。

代襲相続や数次相続が発生している場合には、広範囲の相続人がいることが考えられます。

学生さんに民法を教えるときに、いちばんややこしいのが相続の範囲です。(2番目は物権の範囲かな
相続はいろんなルールが重なり合って、相続人や相続分が決まるので、まずはそのルールを説明し、覚えてもらう必要があるんです。まるで数学の因数分解の公式を覚えてもらうかのようです

今になって、ブログに絵文字を使うことができるということに気が付きました
次回からのブログの更新が楽しくなりそうです

 <みさき司法書士事務所>

2012.11.12.

相続【兄弟が相続人となるケース】

 こんにちは。

今日も引き続き、相続で多いケースをご紹介します。
基本的に、相続でのご相談に来られる方にはだいたい3種類あります。
「不動産の相続登記のみお願いします。」という方と、「相続の手続き全部をお任せします。」という方、それから「相続の放棄をして欲しい」という方です。

中でも、「相続の手続き全部をお任せします。」という方には、相続人がたくさんいらっしゃることが多いです。全員とのやりとりが大変なので、最初から専門家に依頼するケースです。

こういう場合の相続というのは、被相続人に子がおらず、(被相続人が高齢の方の場合は両親も既に亡くなっていることがほとんどなので)兄弟が相続人となっていることが多いです。
そして、兄弟の中にも既に死亡している者がいると、数次相続となり、甥や姪が相続人となっています。

被相続人の方も、まさか自分の死亡後に相続財産が配偶者の他に、兄弟姉妹やその子に渡るなんて思っていなかったかもしれません。

 この場合に、不動産を被相続人から配偶者の名義に変更するためには、相続人全員で遺産分割を行い、その協議書を添付して法務局に登記申請をすることになります。
多くの場合は、(実際に配偶者が住んでいる不動産の名義を一部もらったところでどうしようもないので)不動産を配偶者が一人で相続する旨の遺産分割協議に同意してくれますが、同意が得られないと、ややこしいことになってしまいます。
預貯金だったら分配できるものなので、相続分相当を渡してしまえば問題ないんですけどね。

対策としてはできれば、遺言を残しておくのが一番望ましいです。
遺言は自筆証書遺言といって、自分で書いて残しておく方法でもできますので、将来の紛争予防のため(配偶者のため)、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。⇒詳細はコチラ

 <みさき司法書士事務所>

2012.11.07.

相続【数次相続】

 相続による不動産の名義変更のご相談を受けた際に、大変多いのは「数次相続」と呼ばれる相続関係が発生している相続です。

 数次相続とはなんでしょう?数次相続とは、相続人が被相続人の相続開始後に死亡し、さらに相続が発生している状態のことをいいます。
「被相続人の死亡後、遺産分割前に相続人が亡くなるなんて、滅多にないでしょう?」と思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。


 預貯金などのすぐに分けられる財産については、だいたいの方が被相続人死亡後すぐに相続人間で分けているのですが、不動産など、ちょっと手続きのややこしいものになると、実際には相続の手続きがされず、放置されていることがほとんどなのです。
 特に不動産の名義変更は義務ではありませんからね。

 不動産を相続人のうちの一部の者の名義に変更したい場合には、相続人全員で遺産分割協議を行うことが必要です。

 相続人が家族間だけだったときには話し合いがスムーズにいったはずなのに、相続を放置していたがために、相続人が家族以外の広範囲に広がってしまった場合には、遺産分割協議がスムーズに行えないことが多々あります。
子や直系尊属がおらず、配偶者と兄弟が相続人となるケースにおいて、数次相続が起こり、兄弟の子や配偶者までが相続関係に入ってくるような場合には、ほぼ他人ですから、中には会ったことのないような人もいたりして、大変です。

 相続人のうちの一部の者が行方不明になっていたり、未成年者がいたり、制限行為能力者がいたり…。
 なかにはがめつい性格で、自分にも相続権があることがわかると、金銭の要求をしてきたりする人もいます。
 「いざ!名義を自分のものに!」と思ったときにはもう遅いこともあるのです。

 話し合いができるうちに、相続した不動産の名義変更は行っておくことをお勧めします。

 <みさき司法書士事務所>

2012.11.06.

相続【法定相続人とは誰か?】

  相続が発生したときに、相続財産を確認するのと同時に、まず相続関係を確認することが大切です。
 *相続関係は被相続人の戸籍で確認してください。被相続人の出生までの戸籍を取ってみたら、実は他にも相続権を持つ子や兄弟がいた!?なんて、万が一のこともあり得るんです。


 相続人と相続割合のルールは次のようになっています。参考にしてください。
なお、相続財産を分けるときには、法定相続割合とは異なる分け方をすることもできます(遺産分割といいます。)。


 ① 原則として、配偶者と子が1:1の割合で相続財産を承継します。もし、子が被相続人より先に亡くなっていた場合には、その子の子(被相続人から見た孫にあたる人物)があれば、子の相続人たる地位を代襲して、相続人となります。これを代襲相続といいます。

 ② 子や孫がいないときには、配偶者と直系尊属(父母)が2:1の割合で相続財産を承継します。
この直系尊属には、養子縁組によって養親となった者を含みます。(ただし、特別養子縁組を行っている場合には、実親には相続権は発生しません。注意してください。)

 ③ 直系尊属もいないときには、配偶者と兄弟姉妹が3:1の割合で相続財産を承継します。

 ④ 子は嫡出子(婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子)か非嫡出子(婚外子)かで、その
   相続分は2:1の割合
となります。
   ex.被相続人の前妻(前夫)との間に生まれた子は嫡出子
     被相続人の不倫相手との間に生まれた子で認知されている子は非嫡出子
     (婚外子は認知がなければ、現実に親子であっても、相続関係は発生しません。
      認知しているかどうかは戸籍を見ればわかります。)

 ⑤ ③の場合に、兄弟姉妹間での相続割合は、全血(父母の双方が同じ)か半血(父母の一
  方が同じ)かによって相続分は2:1の割合
になります。

 ⑥ 兄弟姉妹間の相続では、代襲相続は一世代下まで


 以上が、基本のルールでしたが、実際には相続放棄、相続の排除、相続欠格などによって、相続人たる地位を失っている者がいたり、相続人が相続開始後に死亡するなどして、関係がややこしくなっているケースもあります。

 <みさき司法書士事務所>

2012.11.04.

相続【相続放棄と期間の制限】

 先日、相続放棄の相談を受けました。相続放棄の相談を受ける中で一番多いのが、放棄ができるとされる法定期間を過ぎてしまってから相談に来られるケースです。多くの場合が、債権者から督促状が届いて初めて、被相続人に借金があった又は、誰かの連帯保証人になっていたことが判明したというものです。

 相続放棄の申立は「自己ために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」に被相続人の最後の住所地の裁判所に対して行う必要があります(民915Ⅰ)。しかし、特別な事情がある場合、つまり、「3ヶ月以内に相続放棄をしなかったのが、相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、このように信ずるについて相当な理由がある場合」には、民法915条第1項の期間は、「相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識したとき又は通常これを認識しうべかりし時」から起算することができ(最判昭59.4.27)、3ヶ月の期間を過ぎていた場合であっても、相続放棄が認められることがあります。

 もし申し立ての期間を過ぎていた場合でも、諦めずにご相談いただければと思います。

 <みさき司法書士事務所>

ご予約はお電話・フォームから 06-6940-4815

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