ブログ

2013.03.31.

商業・法人登記【本店移転はいつまでに登記するか】

会社法では、会社の登記事項に変更が起こった場合には、
2週間以内に登記しなければならないとされています。
登記が遅れると、登記懈怠になってしまい、過料の制裁を受けることがあります。

では、その2週間の起算点はいつか?というところなんですが、
本店移転で言えば、本店移転の「決議の時から2週間」ということになります。

もし、会社のオフィスを移転したとしても、本店移転の決議が行われていなければ、
実質的にそこが本店の機能を備えて2週間以上経っていたとしても、
登記懈怠であることが表面的にはわからないので、過料の制裁は受けない可能性が高いです。



*ちなみに役員変更の場合は、任期が法定されているため、
表面的に登記懈怠であることがばればれで、過料の制裁を受けやすいんです。。。



しかし、会社の本店住所は、最低限、その会社名で送付した郵便物が届く必要がありますから、
本店を貸オフィスから貸オフィスに移転して、旧本店は明け渡す場合など、
旧本店に郵便物が届いては困るような場合には、早めに本店移転の登記をするべきだと思います。

オフィスを移転しても登記事項の変更をしていない会社さんがときどきありますが、
たいがいが本店が自宅であったり、もうひとつのオフィスは健在しているという状態の会社さんです。

大阪市の入札事業に参加するために、実質の本店は別にあるけれども、
登記簿上は大阪市内に本店をおいている…という会社さんも以前見かけたこともありました。
まぁこの方の場合は本当に大阪市内にもオフィスを借りていたみたいなんですが。
本店のあり方はいろいろですね。

 <みさき司法書士事務所>


2013.03.29.

不動産登記【契印は必要か?】

法務局に上申書や委任状など提出する場合に、それが二葉(2枚)以上にわたる場合は、
紙と紙の間に契印が必要なんです。

ちなみに、裁判所提出書類(訴状や準備書面、申立書関係)については、2枚以上になっても、
通しのページ番号さえふってあれば、別に契印は必要ありません。

市役所に提出する委任状なんかも契印は必要ありません。

でも、法務局は絶対に必要なんです!!!

依頼者の方と郵送でやりとりすると、ときどき契印を忘れられる方がいらっしゃいます。
契印…皆様どうぞ契印をよろしくお願いいたします!!


契印


割印 *契約書を交わす際によく用います。


 <みさき司法書士事務所>

2013.03.27.

相続【被相続人に子どもがいない場合の相続人は…】

今日はびっくりしてしまいました。
相続登記を行う際に必要となる固定資産評価証明書を取得するために、
相続人からの私宛の委任状と相続関係のわかる戸籍を持って大阪市内の某市税事務所へ行きました。
ちなみに委任状をもらった相続人は、被相続人の兄弟にあたる方でした。

すると…窓口の方が戸籍を見るなり、「配偶者生きてるじゃないですか!配偶者がいる場合は配偶者が第一順位の相続人ですから、兄弟姉妹は相続人になりませんよ!」と自信満々に言うではないですか。。。。

そんなこと言われたら、私だって一応法律家なんですから黙って諦めるわけにはいきません

「配偶者には相続に順位という概念がなく(生きている場合は常に相続人)、
第一順位の相続人は子、第二順位の相続人は親、第三順位の相続人は兄弟姉妹であり、
今回は子がおらず、親も死亡しているので、配偶者はもちろんのこと、兄弟も法定相続人なんですよ~」
ということを説明し、なんとか納得してもらって、固定資産評価証明書を取得してきました。

そこにいた窓口担当10名くらいが全員で私を疑うので、
「そんなに信用できないなら民法の条文を確認してください」と言って確認してもらったものの、
それくらい当然に知っているだろうと思っていたので、本当に驚きました。

こんなこともあるんですね。

法定相続人についてはこちらに詳しく記載しています。ご覧ください。

 <みさき司法書士事務所>

2013.03.22.

不動産登記【真正な登記名義の回復】

最近、知り合いの社長様から、
「税理士から聞いたんだけど、真正な登記名義の回復って登記ってできるの?」という質問を受けました。

どうやら、A→Bに便宜上売買で移転していて、現在Bにある登記を、Aに戻したい…とのこと

真正な登記名義の回復、確かにあります。
が、とても判断の難しい登記です。



そもそも、真正な登記名義の回復というのは、どういう場合に使うのでしょうか?

「A名義の土地を、C名義に登記するはずだったのに、誤ってB名義で登記してしまった。
その後、Dがその土地に抵当権を設定した。」という場合において、

事実関係に沿った正しい登記をしようと思えば、
まずBへの所有権移転登記を錯誤抹消して、再度A→Cに移転する必要があります。

しかし、Bへの所有権移転登記を抹消するには、Dが登記上の利害関係人となりますので
(Dの抵当権も職権で抹消されるからです。)、Dの承諾書が必要となります。

Dの承諾書が得られないような場合には、抵当権を付けたままB→Cへ移転するしかありません。
そして、所有権が移転するにはB→Cへ何らかの物権変動の理由が必要です。

というわけで、こんなときのためになんとか無理やり物権変動の理由として作ったのが
「真正な登記名義の回復」と呼ばれる登記です。

そもそも司法書士は登記申請を物権変動に基づいて行いますので、
(意思・モノ・人の確認はきっちりと行います。)
司法書士が登記に関与している場合において、
誤った登記(誤ってBへ移転するなど)が起こることはない…はずなんですけどね。

<みさき司法書士事務所>

2013.03.20.

その他【いろんな職種がありますねぇ。】

昨日は比較的早めに帰宅したため(といっても19時半)、久しぶりにテレビを観ていました。

何の番組かよくわからないのですが、いろんな職種にスポットを当てて、
どういう仕事をしているのか紹介する番組をやっていたのですが、
その中で初めて知ったのが、「国際霊柩送還士」という職業です。

海外で亡くなった日本人を家族の元に届けるまでを行う仕事をしているそうです。

日本で亡くなると、まず病院で医師の死亡診断書を取って、遺体の処置をしてもらって、
その後すぐに葬儀屋さんが遺体を引取りに来てくれて、お通夜、お葬式、火葬という流れになり、
亡くなってから火葬するまでに長くても3日程度ですが、
海外で亡くなった方の場合は日本に戻るまでに数日はかかり、しかも空輸するため、
気圧の関係で遺体の状態がとても悪くなるらしいのです。
そのため、通常の荷物を運ぶような飛行機とは別に、
国際霊柩送還士たちができる限り生前の状態を保って、家族の元まで送り届ける必要があるのです。
ご家族が変わり果てた姿にショックで卒倒しないよう、パスポートの写真なんかを参考に、
できる限りの化粧を施している様子なども写っていました。

遺体はしゃべらないから、こちらはエリを正して接しないといけないと、
仕事に対する誠実さ、実直さ、プライドがとても印象に残りました。
すごい仕事をしているんだなぁ~と感心してしまいました。

いろんな職種があるんだなぁと、改めて思いました。
いろんな仕事をする人がいて、社会が成り立っているんですね。
(小学生の作文みたいな感想になってしまいました(笑))

 <みさき司法書士事務所>

2013.03.19.

相続【数次相続がある場合の遺産分割協議書】

よく、ご相談にお越しいただく方が、「自分なりに作ってみました!」と
自作の遺産分割協議書を持ってきてくださることがあります。

今はインターネットが普及していることもあって、ちょっと調べたら情報が入手できるため、
だいたい皆様、合格ラインの遺産分割協議書を作成されています

ところが、数次相続が発生している場合の相続の際の遺産分割協議書の記載については、
やはり誤っている…というか、文言が足りていらっしゃらない方がよくおられます



数次相続ってなぁに?という方はコチラ



数次相続が発生している場合には、

「平成○年○月○日上記被相続人の死亡によって開始した相続におけるA,B,Cは、
その相続財産について、本日、下記の通り遺産分割に同意した。
なお、Aについては平成△年△月△日に死亡しているため、
その相続人としてD,E,Fが遺産分割協議に参加している。


といったように、数次相続が発生していて、
その数次相続人が遺産分割に参加していることがわかるような記載が求められます。
これは任意ではないです。金融機関はどうかわりませんが、登記なら絶対通りませんから(笑)

いろいろな情報が混在しているものですから、正しい情報のみを拾うというのも、
ある意味難しいことなのかもしれませんね

<みさき司法書士事務所>

2013.03.18.

相続【相続人なく死亡したらどうなる?】

相続人なくして死亡すると、
原則として、相続財産は国庫に帰属します。

しかし、「相続人ではないが、特別な縁があった人」は、特別縁故者(とくべつえんこしゃ)と呼ばれ、
裁判所に申し立てを行うことによって、財産の分与を受けることができます(民法958条の3)。
(相続人になれるわけではないので、全部の相続財産が分与されるというわけではありません

不動産の共有者の一人が相続人なくして死亡した場合、国庫に所有権の一部が帰属するのって、変ですよね?
ですから、民法958条の3には例外があって、特別縁故者への分与の審判がされなかった場合には、
他の共有者に権利を帰属させることができます。

相続人不存在の場合の手続きは、被相続人が死亡した場合に当然に手続きが進んでいくのではなく、
利害関係人から裁判所への申立があって初めて手続きが行われることになります。

利害関係人とは、例えば、特別縁故者であったり、不動産の共有者であったり、
被相続人の債権者などが挙げられます。

相続人不存在の場合の手続きはこちら

相続財産が現金のみという方であれば、手続きは容易なのですが、
不動産もある方の場合には、登記は少し複雑になります。
お心当たりのある方はぜひ弊事務所にご相談ください。

<みさき司法書士事務所>

2013.03.14.

成年後見【選挙権の制限について】

あまり知られていないのですが、
公職選挙法では、「成年後見人がつくと選挙権を失う」と定められており、
成年後見の審判がされると、被後見人さんは選挙権がなくなってしまいます。

被後見人の審判がおりる人にはいろいろな状態の人がいてまして、
会話や自力歩行ができないくらいの認知症等の方からダウン症等の障がいをお持ちの方まで、
成年後見制度を利用される方の範囲は結構広いです。

実質的に選挙に行くことができない人もいることは事実ですが、
「財産管理はできないけれど、自分で選挙に行くことはできる」人も居てます。

この度、ある女性が国に選挙権の確認を確認を求めた訴訟を提起し、
平成25年3月14日東京地方裁判所の判決で、
「成年後見制度を利用する人の選挙権を制限することは違憲」と判断されたようです。

国側は控訴する意向のようですが、控訴審での判断がとても気になります。

私の被後見人さんの中にもダウン症の方が居り、
その方が「今年からは選挙権がない」と知って残念がっていたということもあって、
個人的には、一律に制限するのはちょっとな~と思っていたところでしたので、
これを機に、選挙権が平等に与えられるようになれば良いなと思います。

弊事務所の成年後見の業務案内はこちら

 <みさき司法書士事務所>

2013.03.12.

相続【自筆証書遺言に住所の記載がない場合】

自筆証書遺言の様式は、民法上、
「遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押す。」とだけ定められており、
最低限、全てが自書されており、日付と氏名があれば遺言は有効なもののように思えます。

しかし、その遺言が登記申請に利用できるかどうかは別問題です。

なぜなら、遺言が登記原因証明情報となるためには、
「物件の表示が明確か」「登記簿上の住所と遺言者の住所が一致するか」など、
登記官の審査をクリアしないといけません。

前者については理由は明確ですね。
後者については、登記簿上の人物と遺言者が同一人物であることが確認できないからです。

民法上住所は要らないとしているのに、住所が書かれていない遺言は登記できないとなると、
遺言の意味がありません。

この点につき、大阪法務局に問い合わせてみたところ、
登記研究548の質疑応答を踏まえて、
「住所の記載がなくても、登記済証と遺言者の戸籍の附票を添付して、同一性の確認がとれれば、それで足ります。
遺言者の本籍と登記簿上の住所が一致している方であればそれでも同一人物と伺えますので、ひとつの証拠になります。
これらの書面を添付して、受贈者からだけの上申書で足りますので、住所に沿革がつかない場合と同様の上申書を提出して下さい。」と言われました。

ほっとしました。

遺言を書くときは、ぜひご注意ください。

弊事務所の遺言に関する業務案内はこちら

<みさき司法書士事務所>

2013.03.11.

成年後見【高齢者の金銭管理】

司法書士は横や縦のつながりがとても強いので、よく同業で集まって交流することがあります。

そのときに、職務上の情報交換なんかもよくしているのですが、最近おどろくような話を聞きました。

私の知人司法書士が市長の申立により成年後見人に就任し、
財産調査と財産の引き継ぎをするために本人宅へ訪れたところ、
たまたま見知らぬ中年女性が本人宅へやってきて、「買い物のお手伝いに来てやった」と言うのです。

聞くと、女性は近所に住んでいる他人様(親族等ではない)で、
「買い物に行く」「お金を降ろしに行く」などの名目で毎回お小遣いを本人からもらっている…と
もちろん、本人は認知症が入っていますので、判断能力はありません。
本人は女性の言うままにお小遣いを渡していたようなのです。
(女性は悪意はなかったのかもしれませんが、お小遣いが高額すぎて、
客観的にどう考えても善意ではないとの推定が働いてしまいます。。。。)

本来ならヘルパーさんにお願いすれば済むはずの買い出し…。
なぜこのようなことが起こったのか疑問で仕方ありませんが、
やはり一人暮らしの高齢者は付け込まれやすいということなのでしょうか?

知人司法書士はその場で、今後は司法書士が財産管理をするので、お小遣いは渡せないとの意思を伝えたそうです。
その後、その中年女性は本人さん宅へ来ることはなくなったそうです。
(やっぱりお小遣いが目的ではないですか。)

高齢者の被害でよく聞くのは、オレオレ詐欺だとか、悪徳商法だとかが多いですが、こんなこともあるんですね。
ご近所さんですし、買い物に行ってあげると言われたらついついお小遣いを渡してしまって、
それがいつの間にか本人にとってももらう側にとっても習慣になってしまっているのでしょうか。
ご近所さんだと断りにくいですからね。

うちの祖母(もう他界しました。)なんかは、ヘルパーさんにまでお小遣いを与えていて、
それに気づいた私がヘルパーを変えさせたこともありました。
祖母からしてみればチップか何かのつもりだったのでしょうが、
職務として行っている行為で判断能力の低いお年寄りからお金をもらうなんて、悪質ですよね。

皆さんの周りのおじいさん、おばあさんは、金銭管理がきちんとできていますか?
家族が一緒に住んでいれば目が行き届くことがあっても、
ひとり暮らしだとどうしても目が行き届かないことがあります。
ぜひ、一度見直してみてください。

 <みさき司法書士事務所>

ご予約はお電話・フォームから 06-6940-4815

カレンダー

«3月»
     1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31       

ブログ内検索

モバイル・スマートフォン対応

ページの先頭へ