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2014.07.31.
その他【供託原因が時効消滅した供託金の取戻し】
先日仲の良い弁護士さんたちと雑談しておりました際に、なぜか供託の話になりました。
(なぜかは覚えておりません…。)
意外にも弁護士さんは供託は専門外だったようで、ご存知なかったようなのですが、
弁済供託したお金は、供託原因が消滅したら取り戻すことができるという話で盛り上がりました。
しかも年利0.024%の利息が付いて戻ってくるという…(笑)
根拠は供託法8条2項、3条、供託規則第33条です。
司法書士は試験科目に供託法が含まれておりますので、
昔勉強したことをかすかに覚えていたのです。
供託はあくまでも、義務を履行して、債務不履行となることを免れるための制度ですから、
供託したお金を債権者が受け取らないまま、供託原因となった債務が時効消滅した場合、
取り戻せるのですよ~。
あ、意外とみんな知らないんだー!と驚きました。
<みさき司法書士事務所>
2014.07.30.
債務整理【自己破産同時廃止の基準(大阪地裁)】
【債務者Aさん】
・住宅ローンが3000万円くらい
・連帯保証債務が3000万円くらい
・その他消費者金融や銀行からの借り入れ500万円くらい
合計6500万円くらいの借金がある。
・財産は、住宅ローンの担保になっている居住用不動産のみ。
上記のようなAさんが自己破産申立を行うにあたって、
同時廃止事件とできるかどうか、少し不安があるので調べました
もし、破産管財事件となってしまうと、司法書士が申立をした場合、
管財人選任費用が弁護士が申し立てた場合に比べて高額となり(原因は謎です。
司法書士の関与を排除するための弁護士会と裁判所の申し合わせかも!?)、
依頼者にとって不利益になってしまいます
なお、同時廃止事件で行う場合には、管財人選任費用は必要となりません
【管財人選任費用】
大阪地裁においては
弁護士申立だと、20万5000円~
司法書士申立だと、50万円前後~ (なんでこんなに高いねん)
と言われています。
*いずれの場合でも、実際に申立をしてから、裁判官が事案の難易度によって費用を決めるため、
はっきりとした金額はわかりません。
【同時廃止基準】
大阪地方裁判所の基準では(地域によって異なるんで、関西だけの基準です。)、
次の(1)~(4)の全てに当てはまる場合には、同時廃止で事件が処理される可能性が高いです。
(あくまで、可能性の問題であり、最終的には裁判所の判断となります。)
(1)①又は②にあてはまる場合
①生活保護受給者
又は
②実質負債額(総債務額から保証債務及び住宅ローン債務を控除した額)が
1000万円以下で、かつ、申立時において事業を営んでいないか、法人の代表者でない場合
(2)
(1)の①又は②の要件を満たす場合であって、かつ、以下の財産が20万円を超えない場合
1.預貯金や積立金
2.保険の解約返戻金
3.自動車
4.敷金や保証金
5.退職金(ただし、退職金は8分の1で評価されます。)
6.電話加入権
7.過払い金
8.その他の債権
(3)担保権のついていない不動産がない場合
(4)射幸行為(飲食・ギャンブル・買い物)などの免責不許可事由がない場合
【不動産がある場合】
不動産がある場合でも、下記①②の通り、住宅ローン等の抵当権がついており、
オーバーローンとなっている物件であれば無価値の物件として扱うことになりますので、
その他が同時廃止基準の要件を満たす限り、同時廃止事件とすることができます。
①不動産の被担保債権(住宅ローン等)の残額が固定資産税評価額の2倍を超えている場合
又は
②不動産の被担保債権(住宅ローン等)の残額が固定資産税評価額の1.5倍を超えて2倍までの場合は、
被担保債権(住宅ローン等)の残額が査定書の1.5倍を超える場合
*オーバーローンとなっている不動産は、申立前に売却しても問題ありません。
おそらく、住宅ローン債権者の側から売却して欲しい旨の指示をしてくると思います。
ただし、事前に売却する場合は、オーバーローンである旨を確認することと、
売った時の資料は全てきちんと取っておいてください。
心配であれば、専門家に相談しながら売却の手続きを進めてください。
したがって、Aさんは、不動産を持っているものの、オーバローン状態ですし、
住宅ローンと連帯保証によって生じた債務を除く実質負債額は500万円なので、
なんとか同時廃止によって申立を行うことができそうです。
なお、弊事務所では、管財事件となる恐れのある事案については、
かならずご事情をお伺いした上で、弁護士に引き継ぎをさせていただきます。
依頼者の方の利益を最優先させていただきます。まずはご相談ください。
(ご不安な方には弁護士事務所まで同行もさせていただきます。)
<みさき司法書士事務所>
2014.07.22.
訴訟【少額訴訟の特徴と感想】
最近、初めて少額訴訟の代理人となりました
簡易裁判所において60万円以下の金銭的な請求をする場合には、
「通常の訴訟」の他、「少額訴訟」という手続きを選択することもできます。
あまり少額訴訟の手続きを選択する人というのは見たことがないので、
私自身も代理人となるのは初めてで、とても良い経験になりました。
少額訴訟の特徴は簡単に説明すると、次の通りです。
【特徴】
・60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限ります。
・争いがない場合には、1回の期日で審理を終了し、判決をもらうことができます。
(争いがある場合は被告の申立又は職権で通常訴訟に移行します。)
・少額訴訟では、被告からの請求(反訴)をすることができません。
・被告は、「通常訴訟」へ移行するよう申立を行うことができます。
・原告の言い分が認められる場合でも、
職権で分割払い、支払猶予、遅延損害金免除の判決が言い渡される場合があります。
*争いがある場合というのは、例えば、原告が主張する「お金を借りた事実」について、
被告が「借りていない」「贈与してもらった」など反論して事実そのものを否定する場合などです。
特徴を見る限りでは、原告に有利なのか被告に有利なのかよくわかりませんね。
かかる費用も同じですしね…。
被告から通常訴訟へ移行する旨の申立をされた場合、
最初から通常訴訟でやっておけばよかったという話にもなりますし、
職権で分割払いの判決が出てしまう可能性があるというのは、
原告からしてみればあまりメリットのある手続きではありませんよね。
(分割でも支払ってくれれば良いという考えの場合は別ですが…。)
争いがない金銭の請求事件において、とにかく強制執行するための
債務名義が欲しいだけであれば、「支払督促」という更に簡易な手続きもございますので。
ですから私は個人的にはあまりお勧めはしておりません。
(裁判所はたくさん利用してほしいと思っていると思いますが…。)
なお、期日の開催は通常イメージするような法廷で行われるのではなく、
ラウンドテーブルで、調停のようなイメージで執り行われました。
裁判所もできるだけアットホームに裁判を行って、
できるだけ和解で解決させたいのかもしれませんね。
弊事務所に訴訟を依頼する場合の費用等についてはコチラ
<みさき司法書士事務所>
2014.07.14.
成年後見【申立書の作成について】
最近は成年後見の申立を自分で行う人が増えてきましたね
そんな中、成年後見の申立書類の作成についてよく質問されることを書きたいと思います
■財産目録の作成
本人の財産について、申立の段階では全貌がわからないことだって当然あります。
しかしそれは成年後見人就任後に、その権限で調査すればよい話ですから、
申立の段階では少なくとも年金の入ってくる通帳くらいわかれば、問題ありません。
■収支目録の作成
収支目録については毎月のおおよその支出でかまいません。
例えば、固定資産税など、年に数回課税されたりするような不定期の支出について、
わからない場合には申立の段階で記載する必要はありません。
*申立人が成年後見人等の候補者となる場合には、特にきちんと作ることが大切です。
なぜなら、家庭裁判所は申立書類の内容を見て、成年後見人等候補者の財産管理能力の
判断材料としている可能性が高いからです。
(申立書類とほぼ同様の報告書を年に1回裁判所に提出することになるためです。
管理能力に欠けると判断した場合には、専門職後見人が選任される場合があります。)
申立書類のひな型は、管轄の家庭裁判所の窓口でも交付しておりますし、
インターネットからも取得することができます。
自分で書類の作成ができない場合には、ぜひ、みさき司法書士事務所にご依頼ください
詳細はコチラ
弊事務所では、親族が成年後見人となった場合には、
裁判所への定期報告の方法などを詳細にご説明しております。
また、報告書のテンプレートも差し上げております。
(当然無料です。申立から何年経っていても、遠慮なくご連絡、ご相談ください。)
また、親族が成年後見人となれない場合には、私が成年後見人候補者となることもできます。
(ご本人が遠方にお住まいの場合には、私が成年後見人となることはお断りした上で、
私の知り合いの司法書士又は弁護士をご紹介させていただきます。)
<みさき司法書士事務所>
2014.07.12.
その他【司法書士会の支部旅行でした】
今日は大阪司法書士会北支部の支部旅行でした。
京都、嵯峨~亀岡までトロッコ列車に乗り、保津川くだりをしました
船頭さんがすごく愉快なトークで楽しませてくれました。
船の上は暑く、喉が乾きました。
春や秋は景色がすごく綺麗なんでしょうね~。
川を下っていると、ラフティングをしている集団がところどころに居て、
今日は暑かったので、とても気持ちよさそうに見えました。
支部旅行となると、メンバーは20代~90代まで、幅広い年齢層になりますが、
大先輩である先生方とこうして関わらせていただくと、
いろんな話を聞くことができて、すごくためになります。
これからも司法書士会の活動には顔を出して、自己研鑽に努めたいです
<みさき司法書士事務所>
2014.07.10.
債務整理【債務の時効消滅の起算点】
2014.07.05.
相続【公正証書遺言の必要書類について】
公正証書遺言の必要書類について、大変勉強になった事項があります
公正証書で遺言を作る際の必要書類は原則として次の通りです。
■遺言者のご実印&印鑑証明書
■遺言者の戸籍
■受贈者が相続人である場合には相続関係のわかる戸籍一式
(関係が親子であれば、子の戸籍謄本だけで足ります。)
■受贈者が相続人以外の者である場合にはその人の住民票
□不動産がある場合は、固定資産評価証明書(又は納税通知書)
□その他、財産(通帳など)の残高がざっくりでよいのでわかるメモ
上記のうち□は、公正証書作成費用の算定の際の参考とするためです。
ところが、今回、いろいろあって(いろいろの内容は守秘義務で言えませんが…)
遺言者が実印と印鑑証明書を用意できないとのことでした。
この時点で遺言の作成は無理ですね、と諦めかけていたのですが、
公証人に直接確認しましたら、公証人の中での通達?のようなもので、
「遺言書作成に立ち会った証人2名が実印と印鑑証明書を提出して、
遺言者が本人に間違いない旨証明した場合には、本人の実印と印鑑証明書を省略できる。」
というのです。
ただし、その公証人自身もやったことがないとのことでした。
そんな例外があったなんて…驚き
遺言作成の詳細についてはコチラ
費用についてはコチラ
<みさき司法書士事務所>
2014.07.03.
不動産登記【土地の名義が逆になっている!?】
最近、こんなことがありました。
建物を所有しているお隣さん同士の、建物の下の土地の名義が、
テレコになっている!!!!!???という事件
どうやら戦前に、地主さんから土地を譲り受けた際に、登記が間違ったようです。
当時の司法書士が誤ったのか、法務局が誤ったのか、
今となってはまったくもってわかりません
本来なら誤った登記なので、抹消した上で、再度前所有者の協力を得て
登記しなおす必要があるのですが、その間に相続登記も入っていますし、
何十年も前の地主さんなんて、見つかるわけがありません
そこで、名義を変更する方法として、他には
①真正な登記名義の回復
②時効取得
③交換
のいずれかを選択する余地がありそうです
どの方法で名義を変更することもできるのですが、
やり方次第で税金の課税が異なります。
①~③のいずれを採っても、不動産取得税は課税されるらしいのですが、
①②は贈与税、③は譲渡所得税が課税される可能性があります。
①の場合の贈与税は、状況を説明し、場合によっては課税されないこともあるらしいので、
管轄の税務署に要相談です。
③の譲渡所得税は、所得税法58条の等価交換の場合の例外を用いれば、
きわめて少ない課税で済ませることができそうです。
そこで、今のところ①か③の手法で手続きを行うことを検討しています。
これほどややこしい案件になると、土地家屋調査士さん、税理士さんとの協力して
問題解決にあたる必要があります。
弊事務所では、常に依頼者の方の利益を考えて手続きを採択し、
ご説明してご納得いただいた上で、手続きを行っております。
<みさき司法書士事務所>
2014.07.02.
債務整理【住宅ローンの支払困難の場合】
住宅ローンの支払いが困難になった場合の解決方法について、いくつか方法があります
まず一時的には、直接住宅ローンの返済をしている金融機関に行って、交渉してみることです。
今までご相談を受けたケースですと、
①返済を1回延ばしてもらえた。
②翌月分と翌々月分の返済に上乗せすることで、今月分は延ばしてもらえた。
③月々の返済額そのものを減額してもらえた(返済期間が延びるだけですが…。)。
など、金融機関ごとに方法は違えど、ある程度融通を利かせてくれるようです。
返済できずに2ヶ月、3ヶ月滞納状態が続くと、場合によっては期限の利益を喪失してしまって、
一括返済を求められてしまうことがあります。
ですから、払えないのであれば、何も言わずに滞納するのではなく、金融機関にひと声掛けることが大切です。
さらに、それでも住宅ローンが支払えないということであれば、
状況に応じて債務整理を行う必要があるかもしれません。
【住宅ローンの他に借金がある場合】
①任意整理
住宅ローンの他に借金の返済があって、住宅ローンが支払えない場合には、
司法書士が介入して住宅ローン以外の借金の債務整理を行い、
毎月の返済額を減額してもらうことで、住宅ローンを支払うだけの余裕を設けることができます。
任意整理の詳細はコチラ
②個人再生(住宅資金特別条項付)
住宅ローンの他に借金の返済があり住宅ローンが支払えない場合であって、
借金総額からして、①の任意整理では返済の見込みがたたない場合には、
安定した所得が今後も続く見込みがあるのであれば、住宅資金特別条項付の個人再生を行い、
住宅ローンの支払いをそのままに、その他の借金だけを約5分の1に圧縮して、
圧縮後の金額を3年(5年)かけて返済していくということもできます。
この手続きは住宅は残して他の借金だけを減らすことができるため、大変よく利用されています。
個人再生の詳細はコチラ
③自己破産
住宅ローンの他に借金の返済があって、住宅ローンが支払えない場合において、
所得の見込みがなく、支払不能であると判断される場合には、自己破産手続きを選択するより他にありません。
この場合には、自宅を手放す必要が出てきます。
自己破産の詳細はコチラ
【住宅ローンの他に借金はない場合】
できれば選択したくありませんが、金融機関と交渉しても、
どうしても支払いができないということであれば、家を売却したお金を返済に充てて、
少しでも借金を減らすほかありません。
それでも借金が多すぎて返済が困難な場合には、自己破産手続きを行うことになります。
思いつくままに書いてみましたが、
やはり10人いれば、10人それぞれ手続きの方法には違いが出てきます。
ここに書いたことが万人に当てはまるわけではありませんので、
困った場合には、ぜひご相談ください。
債務整理の詳細はコチラ
費用についてはコチラ
<みさき司法書士事務所>