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2018.05.29

相続【相続させる旨の遺言により相続した者のみが遺産分割協議に参加する場合】 

お久しぶりの業務ブログ更新です~
一週間さぼると、ついついさぼり癖がついてしまい、2か月近くも間が空いてしまいました
業務が忙しい日々が続いていたのですが、実は4月から司法書士が1名増え、少し落ち着いたので、
今日からまたブログを再開したいと思います

先日、昨年から依頼を受けて継続していた相続登記がようやく完了し、一息つきました
その相続登記を行うにあたり、ある論点にぶつかりましたので、ここに書き留めておきたいと思います。

長い前置きになってしまいましたが、本題です。

本事案では被相続人が30年前に亡くなられてから不動産の名義変更をずっと行っていなかったため、
相続人が次々と発生した数次相続で4世代に渡る遺産分割協議となりました。

その相続人のうちの1人に数次相続が発生しており、
なんと「自分の財産は数次相続人の1人に全て相続させる」旨の公正証書遺言を残しておられました。

このような遺言がある場合に、公正証書遺言を添付することで、相続人の1人から数次相続を受けた相続人だけが、本遺産分割協議に参加して所有権移転登記をすることができるか?ということが問題となりました。
(遺言を残してもらった相続人以外の相続人とは交流がなかったため、捺印の協力をお願いしにくいという背景もあり、ぜひともこの遺言を使用して、登記を進めたいところではありました。)

そこで、先例を調べていたところ、下記のような登記研究の質疑応答の記載を発見しました。


【要旨】
甲の相続人である乙と、甲のもう一人の相続人である丙から「相続させる」旨の遺言により相続財産全部を取得したAのみが遺産分割の協議に参加した遺産分割協議書等において、丙の他の相続人から遺留分減殺請求権の行使を受けていないことが判明すれば、登記を実行することができる。
(平成29.4登記研究830)

問(概要)
不動産の所有権登記名義人甲が死亡し、乙と丙が甲を相続したが、相続による所有権の移転の登記が未了のうちに丙が死亡し、その法定相続人がAとBである場合において、登記原因証明情報として①丙名義の「全ての相続財産をAに相続させる」旨の公正証書による遺言書及び②乙が当該土地を取得する旨に加え、Bによる遺留分減殺請求権の行使がない旨の記載のある乙とA名義の遺産分割協議書(その旨の記載がないときは上申書)を添付して、甲から乙への所有権移転登記が申請されたときは、これを実行して差し支えないと考えますがいかがでしょうか。

答 貴言の通り



そこで、遺産分割協議書の他、数次相続人から遺留分減殺請求権の行使がなかったことの上申書を遺産分割を行う相続人全員に書いてもらい、無事登記の申請を行うことができました。

もともと相続人がかなり多い事案でしたので、遺言の存在はありがたかったです・・・


 <みさき司法書士事務所> 

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