ブログ

2022.03.22.

不動産登記【信託目録の登記】

信託による所有権移転及び信託の登記を申請した際に、引っかかったことです

不動産登記法97条では、信託の登記の登記事項として、
信託目録に次の事項を登記する必要があるとされています。

1.委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所
2.受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め
3.信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所
4.受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所
5.受益証券発行信託であるときは、その旨
6.受益者の定めのない信託であるときは、その旨
7.公益信託であるときは、その旨
8.信託の目的
9.信託財産の管理方法
10.信託の終了の事由
11.その他の信託の条項

このうち、家族間で行う家族信託の場合には、1,2,8,9,10,11あたりが登記されることが多いと思います
司法書士が登記の際に頭を悩ませるのは、11ではないでしょうか

11には内容に特に制限はないため、信託契約書の中から、「これは大事そうだから登記して公示しておいた方がいいかなぁ~」と思われる内容をPICK UPして、登記することになります。
例えば、「原契約の公正証書の特定」「受益権の処分禁止に関する事項」「信託の変更に関する事項」「委託者の地位の相続」「受託者の任務の終了」「清算受託者及び清算事務」「残余財産の帰属権利者」などです。

ここで問題となるのが、契約内容の秘匿性についてです。

家族信託の場合、信託契約そのものが遺言とほぼ同じ役割をもって作成されることが多いため、
契約書の中には委託者が亡くなった場合などの残余財産の帰属先として、ある特定の人物の住所氏名生年月日を記載していることも多いのですが、それをそのまま登記してしまっては、遺言丸見えの状態になってしまいます・・・。

じゃあどうしたらいいのか・・・というところで、「残余財産の帰属先は・・・・原契約書記載の通りとする」というようにぼかしておくことが多いのですが、先日たまたま登記をする前に申請先の法務局に事前照会をかけてみたところ、
「これでは公示する意味がなくなってしまうので、ちゃんと詳細に書いてもらわないと困る」というようなことを言われました

でも、詳細を書きすぎると、それも困る・・・
そこで、事前照会の内容は無視してそのまま申請を出してみて、
どうしてもその部位が指摘されるようであれば、そもそも、その他の信託の条項は任意記載なので、
補正で削ってしまおう(事前に預かっておいた別verの登記原因証明情報と差し替えよう)という作戦をたてて申請を行いました

結果、担当したのが別の登記官だったのか、補正もなく「原契約書記載の通りとする」で登記が完了しました

 <みさき司法書士事務所>

ご予約はお電話・フォームから 06-6940-4815

カレンダー

«3月»
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31   

ブログ内検索

モバイル・スマートフォン対応

ページの先頭へ