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2017.11.01
不動産登記【相続分の譲渡、売買、贈与と登記】
最近相続分の譲渡による相続登記を行いました。
相続分の譲渡は、実はとても気を付けなければならない遺産分割の手法です
【相続人間で相続分の譲渡を行う場合】
①相続登記未了の場合
相続人間での相続分の譲渡契約書や遺産分割協議書を添付すれば、「年月日相続」を原因とした所有権移転登記が可能です。
②既に法定相続分での相続登記を行っている場合
相続分の譲渡契約書を添付して、譲受人名義への持分移転登記をすることができます。
ただし、この場合には、登記の目的は「年月日相続分の贈与」又は「年月日相続分の売買」のいずれかとなりますので、登記原因に求められる法律行為の実態を明らかにするためにも、譲渡契約書の中で「有償」か「無償」かを明らかにしておく必要があります。
(単に、「譲渡する」と記載しているだけの契約書では登記に差し支えます。)
【第三者に対して相続分の譲渡を行い、当該第三者を含めた遺産分割を行う場合】
相続分の譲渡と遺産分割という2つの法律行為による物権変動を1つの登記原因で登記することは中間省略登記を認めることとなり、することはできません(「質疑応答」登研744号125頁)。
この場合にはいったん法定相続登記を経た後に、譲受人である第三者に「相続分の贈与(売買)」を原因とする持分移転登記を行い、そこから更に遺産分割を原因とした持分移転登記を行う必要があります(登研753号186頁)。
弁護士さんが作成した相続分の譲渡契約書でも、ときどき登記には使用できないものが見受けられます。
上記の他にもいろいろなケースがあると思いますが、よく考えて譲渡契約書を作成しなければ登記ができなくて困るなんてこともあるかもしれません。。。
<みさき司法書士事務所>