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2017.02.09.
商業登記【電話会議(Skype)の方法による取締役会】
今日、たまたまご指摘をいただき、調べてみました。
従来から、テレビ会議システムを利用した方法による取締役会の開催は「取締役間の協議と意見の交換が自由にでき、相手方の反応がよくわかるようになっている場合、すなわち、各取締役の音声と画像が即時に他の取締役に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組みになっていれば可能である」という法務省の見解がありましたが、電話会議の方法による取締役会の開催については、どうでしょうか。
電話会議による場合は、テレビ会議と比較して画像の送受信ができるかどうかという点で異なりますが、このような差異は重要なものではないとして、「会議参加者が一堂に会するのと同等の相互に十分な議論を行うことができるものであれば、現行法の解釈上、電話会議も許容される」ようです。
(民事月報57巻11号15頁)
登記申請を行うにあたって、議事録の作成で注意するポイントとしては、
「電話会議システムにより、出席者の音声が即時の他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同時に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていたこと」を議事録の記載から明らかにしておく必要があります
最近はSkypeの無料通話を利用した会議も増えているので、便利に利用してしまいますが、
そもそも「会社法上有効かどうか」ということをあまり考えたことがなかったのですが、よい勉強になりました。
<みさき司法書士事務所>
2017.02.04.
不動産登記【外国人登録原票の写しの郵送請求】
平成24年に新たな在留管理制度が導入されたことに伴って、外国人登録制度は廃止され、それまで市区町村で保管されていた外国人登録原票は、法務省で保管されることになりました。
平成24年の改正後は各市町村で日本人と同じように住民票を取得できます。
ただし、過去の住所移転の履歴は、法改正後に異動があったものしか記録されていません。
そのため、外国人が不動産の住所変更の登記を行う場合などで、平成24年の法改正前の住所に沿革をつけなければならないときは、法務省に対し、閉鎖された外国人登録原票の写しを開示請求しなければなりません。
ただし、やっかいな点は、請求権者は「本人又は法定代理人に限る」という点です。
職務上請求もできないため、本人に協力していただく必要があります。
しかし、その本人にも制度をよく理解していただけず、説明が難しいため、とても困ります。
( 裁判や相続などに関連して請求する場合は、利害関係人からの請求でも開示されないため、弁護士さんに依頼して弁護士法23条による照会を利用しないといけません。この時点で司法書士だと依頼をお受けできないことになります )
先日、不動産登記に利用するため、本人請求によって郵送請求をしたのですが、その際「何かあった場合の連絡先」として司法書士事務所の連絡先を書いておくことで、申請内容の確認は本人ではなく、司法書士事務所に連絡してもらえることがわかりました。
また、請求用紙も必ずしも本人の署名や捺印は求めていないようです。
開示された外国人登録原票の写しの返送先は本人の住民票上の住所地になりますので、完全な代理をすることは無理ですが、実質的な代理請求(?)が暗に認められているようです
<みさき司法書士事務所>