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2016.10.18
不動産登記【和解契約による所有権移転登記】
民法では、「和解」は契約の一類型として定められており、これも1つの契約ということになります。
したがって、不動産の所有権を譲渡することが和解契約の内容になっているのであれば、
当然、和解契約を原因とした所有権移転登記もすることができます
では、和解契約による所有権移転登記の登記原因証明情報はどのように記載すれば良いのか。
案外シンプルです。
(1)和解契約
甲及び乙は、平成○年○月○日、甲が乙名義の本件不動産を取得する旨の和解契約を締結した。
(2)所有権移転の移転
よって、本件不動産の所有権は、同日乙から甲へ移転した。
実際にはオリジナルの和解条項に沿うように多少のアレンジはしないといけませんが、
基礎はこれだけ書かれていれば、物権変動の事実の記載としては足ります。
ややこしい事実関係の中での所有権移転であれば、
無理やり登記原因を考えるのではなくて、
いっそのこと全部和解契約で名義変更してしまえばいいんじゃないの!?と思いました
なお、これによる課税関係ですが、「和解」の内容が加害者からの慰謝料その他損害賠償金の性質を兼ねているのであれば、一時所得としては非課税になると思いますが(所法9、51、73、所令30、94、所基通9-19、9-23)、そうでなければ所得税の他、不動産取得税と、義務者側の譲渡所得税は避けられないのではないかと思われます。
税理士さんに要相談ですね。
<みさき司法書士事務所>