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2016.05.20
不動産登記【相続財産への名義変更と住所変更】
被相続人について相続人が不存在で、相続財産管理人が選任された場合、
被相続人名義の不動産は、相続人不存在を登記原因として、「相続財産」たる法人名義に変更します。
通常、相続財産管理人の証明書(審判があったことと、届出済印鑑の証明を兼ねています。)を登記原因証明情報として添付して申請するのですが、証明書記載の最後の住所地と、登記簿上の住所地が異なる場合、沿革をつけることのできる住民票の除票を添付します。
そして、登記原因は、下記先例に基づいて
相続人不存在を登記原因として「相続財産」たる法人名義に変更する場合において、被相続人の死亡時の氏名住所と登記簿上と氏名住所とが異なるときは、申請書に、その氏名住所の変更変更についての登記原因及びその日付を併記すべきである。被相続人が死亡してから相続人不存在による登記名義人の表示の変更の登記を申請するまでの間に町名または地番の変更や住居表示が実施された場合も同様である。
(昭和32年3月22日民甲423通達)(登記研究665・165)
平成●●年●●月●●日住所変更
平成●●年●●月●●日相続人不存在
という原因列挙で登記申請を行いましたところ、法務局からの指摘がありました。
どうやら、その後、法務省から別の通達(下記の通り)があったようです。
死亡時の住所が登記記録に記録されている住所と異なる時は、登記の目的を「○番登記名義人住所氏名変更」とし、登記名義人の氏名及び住所に抹消する記号(下線)を付与して,死亡時の住所をも記録する。
不動産登記記録例についての通達(平成21年2月20日法務省民二第500号)
したがって、登記原因はあくまでも
「平成●●年●●月●●日相続人不存在」の1つでよい、とのことでした。
大阪弁でいうと、そんな細かいとこまで知らんがな!という話なのですが、
そんな細かいとこまで確認してる登記官はやっぱり優秀や~と頭が下がる思いです。
その後日談、別の法務局にも前述の通りで登記申請したところ、
この通達からはそこまで読み取れない…ということで、原因二条書きにしてくれと補正がありました。
登記官によって取り扱いが異なるのは困ります
<みさき司法書士事務所>
コメント
昨日の公開模試さん
コメントありがとうございます。
登記研究(665-165)は、私が今回ブログに書いた昭和32年の先例のことですね。
基本的に正解が○か×かグレーな問題は本試験には出題されない可能性が高いのではないかと思います。
もうすぐ本試験ですね!頑張ってくださいね!
- 2016.05.29 22:04
- 三輪
私も後日談です。
昨日のLECの全国公開模試でこの先例が出ました。
甲土地の所有権の登記名義人であるAが死亡したが、相続人のあることが明らかでないため、相続人不存在による登記名義人の表示の変更の登記を申請する場合において、Aの死亡時の氏名及び住所が登記記録上の表示と異なるときは、申請情報に当該変更についての登記原因及びその日付を併記することができる(○)
私は×にしてしまいましたが、この肢とほぼそっくりそのままの登記研究(665-165)があるそうです。
- 2016.05.29 07:17
- 昨日の公開模試
後日談、笑ってしまいます。(笑)
お疲れ様でした。
- 2016.05.26 06:57
- dachshund
dachshundさん
コメントありがとうございます。
登記記録例193(注)1がまさに「不動産登記記録例についての通達(平成21年2月20日法務省民二第500号)」の記録例ですね。
登記原因は氏名の変更理由でしかないのに、住所も変更って、原則からすると不思議な話ですよね。
- 2016.05.23 08:01
- 三輪
この件、私も忘れておりましたが、テキストにも掲載されています。
登記記録例にも載っていますね。
登記記録例193(注)1
- 2016.05.23 07:23
- dachshund
すいません、名前の記載を間違えました。
先のコメントも私です。
また、登記研究が本文に書かれているのを見逃しておりました。
併せて申し訳ありません。
本試験、頑張ります。
ありがとうございます。m(__)m