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2016.04.27.

商業登記【合名会社設立のメリット】

先日、自分の会社を作りました
司法書士の業務とは言えない業務に関しても、法人の方で積極的にご依頼をお受けできるようにとの趣旨です

で、法人を作る際に、法人格をどの形態でいくか(株式会社にするか、合同会社にするかなど。)悩んだ末、合名会社を作ることにしました

合名会社を選択する法人って滅多にないですよね。
その理由はおそらく合名会社の無限責任だと思われます
株式会社や合同会社のように、間接有限責任を採る法人形態の方が、人の心理としては安心して仕事ができるものです。

じゃあなぜ、あなたは合名会社を作ったの?というところですが、私個人的な理由としては、次の通りです。

①珍しいし、作ったことがないから作ってみたかった!
(ほぼ毎月なにかしら法人の設立に関与しているにも関わらず、司法書士7年やってて過去一度も依頼を受けたことがありません。作ってみたいという単純な興味です。)
設立時点での出が不要
(合名会社の場合、出資する物やその額は定款で定めるのみで、設立後、出資はいつのタイミングでもよいため、設立時点で資本金の払い込みなどは必要なく、信用だけで法人を作ることができます。なお、一般社団法人なども出資不要ですが、一般社団法人は社員2名以上からでないと設立できません。)
有限責任であれ、無限責任であれ、代表者は結局責任を取らないといけないという点で同じ。
(今時、中小企業の場合は株式会社であっても合同会社であっても、銀行融資の際は代表者の個人保証が入りますし、何かしらで損害賠償責任を負うとなった場合でも、そもそも損害を与えるようなコトしちゃだめでしょ!という個人的な倫理観があるので、どんな法人体系であっても代表者の責任は常に同じと考えています。)
④設立費用の実費は6万円で済む。
(この点は合同会社と同じですね。なお、株式会社の場合、実費だけで20万円くらいかかります。)
⑤設立後にやっぱり嫌だと思っても、手続を踏めばいつでも合同会社や株式会社に移行できる。

以上でしょうか。

理由は様々な理由があると思いますが、1人からでも信用だけで法人を作ることができるという点に非常にメリットを感じました。

合名会社という法人形態を採る法人は大変少ないですが、何かメリットがあるハズだと思い、そのメリットや実際に自分がこの法人形態を選択してみての体験を、今後の司法書士業務にも活かすことができればいいなぁと思っています。

<みさき司法書士事務所>

2016.04.08.

相続【戸籍訂正の申立】

以前、相続登記をするために戸籍を収集していた際に、
戸籍の記載事項に誤りを発見し、職権訂正をしてもらうという出来事がありました。

具体的には、相続人の父親欄に被相続人たる父親ではなくて、他人の名前が載っていたんです
過去のブログ参照)

これでは、戸籍がつながらないですし、父親欄が異なったら、被相続人の相続人でないことになってしまうので困ります。
このときは役所が戸籍を転籍させる際に誤記があったということですので、すぐに訂正してもらうことができました。

こんなこともあるんだな~と思っていましたら、最近また、戸籍の記載事項に誤りを発見しました。

具体的には、
婚姻後の戸籍と、婚姻前の戸籍で被相続人の氏名と生年月日に微妙な違いがあるというものでした
いずれも戦災喪失後(沖縄県の戸籍)に、戸主の申出により再製された戸籍です。

父親欄、母親欄や、氏名の一部、生年月日の月日については同一性が見られましたので、「被相続人本人に間違いないはず」と考え、戸籍の記載事項を職権訂正してもらえないものか、市役所に相談してみました

その結果、「戸主の申出(仮戸籍申告書)に基づいて再製された戸籍なので、役所の間違いではないので、職権訂正はできません。本人や利害関係者から、『戸籍訂正の申立』を家庭裁判所にしてください。」と言われました

そんな家事手続きがあったこと自体を初めて知りました。
役所のミスなら職権訂正可、そうでなければ戸籍訂正の申立が必要ということだそうです

しかし、戸籍訂正の申立をしていれば、相続登記に1年以上かかってしまいます

法務局対応としては上申書でなんとかならないものだろうか…と考え、法務局にも相談してみました。
その結果、上申書で良いという返事が返ってきたので、ほっとしました。

今回、もう一つ勉強になったのですが、
沖縄県は昭和20年から昭和47年にかけてアメリカの占領下におかれていた関係で、昭和23年10月1日から昭和33年6月30日までの間、戸籍事務の管掌者たる沖縄県下の市町村長に代わって、福岡法務局沖縄関係戸籍事務所が沖縄県の戸籍事務を担当していたという歴史です。この間に作成された戸籍を「仮戸籍(臨時戸籍)」と呼び、「仮戸籍申告書」は事情があれば取り寄せることもできるということです。

そして、昭和33年6月30日以降、本土との戸籍の届出の相互交流が認められるようになったため、仮戸籍申告書に基づいて、沖縄県下で戸籍の再製事業が続々と始まり、現在に至っているということがわかりました。

歴史を知るということはとても大切ですね。

 <みさき司法書士事務所>

ご予約はお電話・フォームから 06-6940-4815

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