ブログ
2015.08.10
相続【死因贈与契約の存在意義】
今年の夏は異常な暑さですね。
食欲がなくなれば痩せられるのに、なぜか食欲だけは衰えないのが残念でなりません
さて、死因贈与契約の意味についてぼーっと考えてみました。
Aさんが、自分の死後に不動産をBさんに譲りたい場合に、生前に何を準備すればよいか?
(節税対策ではありませんので、ここでは生前贈与は検討しません。)
①遺言(遺言についての説明はコチラ)
②死因贈与契約
が一般的な方法として思い浮かぶかと思います。
ここで、死因贈与契約とは何かですが、
死因贈与契約とは、贈与者の死亡を停止条件とした贈与契約のことで、
生前に贈与者と受贈者との間での契約で行います。
どちらを選択しても、死後に財産を贈与できるのですが、その比較は次の通りです。
遺贈(遺言) | 死因贈与契約 | |
法律行為の種類 | 単独行為 *一方的な意思表示による。 | 片務契約 *双方の契約による。 |
撤回の可否 | 可 *遺言の書き直しは何度でも可 | 不可 *契約なので、一方的な撤回はできません。 |
方式 | 公正証書遺言 自筆証書遺言 など | 書面によらない。 |
相続放棄 | できる。 | 契約によるため、一方的な放棄はできない。 |
義務を負担させることの可否 | 受遺者に義務を負わせることはできない。 | 受贈者に契約によって義務を負わせることも可能。 |
仮登記の可否 | 不可 | 可 始期付所有権移転仮登記(2号仮登記)ができます。 |
死後の手続き | 遺言執行者が決まっていれば、 遺言執行者との共同手続きで行う。 | 相続人全員を義務者として、 共同で手続きを行う。 |
登記費用 (登録免許税) | 不動産評価額の4/1000 (ただし、受遺者が相続人でない場合は20/1000) | 不動産評価額の20/1000 |
こうして考えると、死因贈与契約のデメリットが目立ちますね。
デメリット1.一方的な撤回ができない。
デメリット2.登記には相続人全員の協力を要する(協力してもらえるの…?)。
デメリット3.登録免許税が高い。
*ただし、遺言で相続人以外の者に相続させる場合には同じ税率なので変わりません。
死因贈与契約を選択するメリットは一体なんなのでしょうか?
それは、「受贈者にも一定の義務を負担させることができる」ということと、
「仮登記によって、期待権を保全できる」ということでしょう。
(私の勝手な解釈ですが…。)
今までに選択したことがない選択肢なのですが、需要があればぜひ提案してみたいものです。
<みさき司法書士事務所>
死因贈与の「相続放棄」についてお尋ねしてよろしいでしょうか?
受贈者が法定相続人であって、遺産分割協議書で放棄をするという意思表示をすれば、債権放棄したことになり、相続放棄ができるのではないでしょうか?
それとも、相続放棄ができないので、協議書で放棄をするとした協議書が無効になるのでしょうか?