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2014.12.17
相続【養子縁組前の子が代襲相続して相続人となる場合】
お久しぶりの更新です
最近へぇぇぇぇぇ~と思った相続についての判例があります
民法では、養子縁組後の養子Aの実子Bは、養親Cの直系卑属にあたるため、
養子Aが先に死亡していた場合には、養親Cの相続について、Bは代襲相続人となります。
では、もしBがAとCの養子縁組前に生まれていたら??
答えは、「代襲して相続人となりません。」と答えますよね。
ところが、こんな判例がありました。
養子縁組前の養子の子が養親の実子の子でもあって、養親の直系卑属にあたる場合には、
養親を被相続人とする相続において、養子の子は養親より先に死亡した養子を代襲して相続人となる。
(大阪高裁平元8.10判決)
(判例タイムズ708号222頁)
これってよくある話ですよね。
婿をもらって、奥さんの両親とお婿さんが養子縁組しているような場合や、
お嫁さんと、夫の両親が養子縁組しているような場合です。
(もっとわかりやすい例で言いますと、磯野家においてマ○オさんとナ○ヘイさんが縁組しているような。)
この場合に、夫婦間に生まれた子(つまり、タ○ちゃん)は、養子縁組より出生日が前であっても、後であっても、
養子(マ○オさん)の方が先に亡くなれば、養親(ナ○ヘイさん)の相続について、
子(タ○ちゃん)は養子を代襲して、相続人となるのです。
判旨は次の通りです。
『民法887条2項但書において、「被相続人の直系卑属でない者」を代襲相続人の範囲から排除した理由は、
血統継続の思想を尊重するとともに、親族共同体的な観点から相続人の範囲を親族内の者に限定することが相当であると考えられたこと、とくに単身養子の場合において、縁組前の養子の子が他で生活していて養親とはなんら関わりがないにも関わらず、これに代襲相続権を与えることは不合理であるからこれを排除する必要があったことによるものと考えられる』
ため、本件のような場合については代襲相続を認めるとしています。
今月で一番勉強になった判例です。
<みさき司法書士事務所>