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2014.12.06
相続【一人遺産分割の可否について】
父親が亡くなり、母と息子だけが相続人であるようなケースにおいて、
その後に母が亡くなれば(数次相続)、息子が母親の地位を相続した者として父親の遺産分割協議を1人で行い、
息子名義に一発で変更することができるということは、慣習的に最近まで当たり前のように行われていました。
私も何度もやったことがあります。
ところが、平成26年3月13日東京地裁での判決(平成25年(行ウ)372号)で、この点に明確な判断がなされました。
一人遺産分割協議に基づいた登記申請が却下されたケースについて、
遺産分割は、複数の相続人の存在が当然の前提とされているため、
2次相続によって最終的に相続人が1人となった場合には、法律上遺産分割の余地がないことから、
法務局の却下決定を「適法だ」としたものです
この判例を受けて、
各地の法務局では同様の申請があった場合には、取下げを要求してくるようになっています。
本当につい最近(すくなくとも平成26年9月頃まで)までは当たり前にできていたことなので、驚きました。
これに基づけば、冒頭のようなケースでは、いったん亡母親と息子の共有名義に相続を原因として所有権移転登記をした後、亡母親持分について相続を原因として息子名義に所有権移転登記を行う…という2段階の申請が必要となります。
つまり、登録免許税が2倍かかるということです…
<みさき司法書士事務所>