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2013.03.22
不動産登記【真正な登記名義の回復】
最近、知り合いの社長様から、
「税理士から聞いたんだけど、真正な登記名義の回復って登記ってできるの?」という質問を受けました。
どうやら、A→Bに便宜上売買で移転していて、現在Bにある登記を、Aに戻したい…とのこと
真正な登記名義の回復、確かにあります。
が、とても判断の難しい登記です。
そもそも、真正な登記名義の回復というのは、どういう場合に使うのでしょうか?
「A名義の土地を、C名義に登記するはずだったのに、誤ってB名義で登記してしまった。
その後、Dがその土地に抵当権を設定した。」という場合において、
事実関係に沿った正しい登記をしようと思えば、
まずBへの所有権移転登記を錯誤抹消して、再度A→Cに移転する必要があります。
しかし、Bへの所有権移転登記を抹消するには、Dが登記上の利害関係人となりますので
(Dの抵当権も職権で抹消されるからです。)、Dの承諾書が必要となります。
Dの承諾書が得られないような場合には、抵当権を付けたままB→Cへ移転するしかありません。
そして、所有権が移転するにはB→Cへ何らかの物権変動の理由が必要です。
というわけで、こんなときのためになんとか無理やり物権変動の理由として作ったのが
「真正な登記名義の回復」と呼ばれる登記です。
そもそも司法書士は登記申請を物権変動に基づいて行いますので、
(意思・モノ・人の確認はきっちりと行います。)
司法書士が登記に関与している場合において、
誤った登記(誤ってBへ移転するなど)が起こることはない…はずなんですけどね。
<みさき司法書士事務所>