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2016.02.24
相続【養子縁組前の子の代襲相続権について】
みさき事務所のHPを開設して3年以上が経ち、毎日は無理ですが、少しづつでもブログを更新し続けてきた結果、いろいろなご質問や、感想をいただくことができるようになりました
HPへの閲覧数を見る限りでは、1日200名以上の皆さまの目に触れていることになります。
(同じ人が何回も見てくれることもあるのかな?)
本当にありがとうございます
これからも、業務のこと、司法書士のこと、日常のこと、マイペースに書き綴っていきたいと思います。
さてさて、今日の本題です。
過去のブログをご覧いただき、下記のようなケースの相続における相続人は誰か?
というご質問をいただきました。
こういう事例もあるんだ…と参考になりましたので、ここに記載したいと思います。
【事例】
①AB甲丙は既に死亡している。
②甲は乙と婚姻する際、Aと養子縁組をしている。
③甲には、前妻との間に子がいた。
④甲乙間に子供はいない。
Q.乙の相続における相続人に、甲の前妻との間の子は含まれるか。
要するに、乙には子がなく、配偶者甲、直系尊属ABが既に死亡しており、兄弟姉妹が相続人となるケースです。
乙の兄弟姉妹は、甲(配偶者の地位の他に、Aとの養子縁組により、兄弟姉妹としての地位もあります。)、丙ですが、いずれも既に死亡しており、その直系卑属(子)が代襲相続人になることが考えられます。
しかし、甲の直系卑属(子)は、養子縁組前に生まれた子であり、乙の相続について、甲を代襲して相続人となるかどうかが論点となっています。
過去のブログでご紹介した事案は、養子縁組前の子が養親の相続について代襲相続人と認められた事案ですが、これは
事案の特殊性から相続関係が認められたもので、例外的なものです。さらに、高裁判例ですので、どこまで汎用できるのかがわかりません。
民法727条によれば、「養子と養親及びその血族との間において、養子縁組の日から親族関係が生じる。」とありますので、原則通り、やはり前妻との間の子は、乙の相続人にはならない。
というのが私の出した結論です。
養子縁組関係が含まれる相続は複雑になることも多いので、相続人確定の際には、気をつけて確認しないといけませんね。
<みさき司法書士事務所>
コメント
高裁判例、今はテキストにも載っているんですね~。
知りませんでした。
銀行はわかりませんが、見落としは個人的には裁判所での見落としが多いように思います。
法務局は、戸籍を見慣れているベテラン登記官がいますので、私が見落としたものまでしっかり指摘してくれます(笑)
- 2016.02.25 09:40
- 三輪
過去ブログの事案は知っていました。テキストに載っています。
養子が絡むと難しいですね。
うちの家系も養子が絡んでいました。父が婿養子の形で母と婚姻しまして、父→祖父の順に死亡しました。相続人に父を含めずに相続手続きを申請したのですが、2番目に行った銀行で、代襲相続が発生すると言われて、改めて申請し直した事があります。(民法の知識をよく知らなかった時です)
しかし、1番目に行った銀行では、当初の申請ですんなり手続してくれましたので、銀行も見落とす事があるんですね。(笑)
- 2016.02.25 08:56
- ダックス
TACの姫野先生のテキストです。
以下の記載になります。
例えば、Aに、子B及びBの配偶者である養子Cがあり、BC間に、AとCが養子縁組をする前に出生したDがある場合において、Cが死亡した後にAが死亡したときは、DはCの代襲者となる。(登記研究529号P89)
これは、Dが養子縁組前に出生した養子Cの子であるが、Bの側から見れば、Aの直系卑属であるからである。