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2015.05.28.
その他【空き家対策と司法書士】
先日、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が全面的に施行されました。
人口が減少していること、
人口が都市部に集中していること、
核家族化が進んでいることなどがあいまって、
空き家が全国的に増加しているようですね。
空き家のままにしていることで家の老廃が進んだり、
ごみの放置でネズミや虫が発生したりと様々な問題があります。
さて、特別措置法の目玉となっているのは、次の通りです。
【空き家について情報収集】
①市町村長は法律で規定する限度において、空き家等への調査ができる(9条)。
②空き家の所有者等を把握するため、固定資産税情報の内部利用が可能(10条)
【特定空家等に対する措置】
空き家の除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令が可能。
さらに、行政代執行が可能(14条)。
【税制上の措置】
市町村長による必要な措置の勧告を受けた「特定空家等」に対する
固定資産税等の住宅用地特例の解除
⇒つまり、土地の固定資産税が宅地評価から更地評価に変わるため、6倍になる!?
マスコミなんかの反応を見ると、
固定資産税があがるから、売る人が増えて空家が市場に流通しやすくなる!とか
いろいろな意見があるようですが、
個人的には、「買い手も貸し手もつかないような、どうしようもない不動産だから空家のままなのでは…。」
という、どうしても消極的な意見しか出てきません。
いずれにしても、これからさらに増えると考えられる空家への対策は、喫緊の課題ですね。
全国の地銀や信用金庫などでは「空き家解体ローン」なる新商品を出しているところもあるようです。
なんでもビジネスにしてしまうその姿勢、ある意味見習わなくては…。
大阪司法書士会も空き家対策の委員会を設置して研究を進めているようです。
司法書士はどのようにこの問題に関わっていけるのか、会員としては行方がとても気になります。
<みさき司法書士事務所>
2015.05.19.
商業登記【全国的な合同会社設立数の増加】
以前に比べて「合同会社を設立したい」とピンポイントの相談を受けることが多くなってきました。
合同会社は株式会社と同様に会社法に準拠して設立される有限責任の法人ですが、
株式会社に比べると知名度が低いです。
平成18年の会社法改正でできた法人の形態なので、
まだ制度としては新しく、一般の方に認知されていないと思っていたのですが、
法務省の【登記統計~平成26年度~】のうち、
商業法人登記の設立登記の申請件数だけをみると、全国で次のようになっていました。
このデータから見てわかることは、
株式会社の設立件数は毎年平均すると同じくらいの件数なのですが、
合同会社に限って見れば、年々増加傾向にあるということです。
平成25年は平成22年の約2倍ですから、すごい勢いです。
なお、合同会社と株式会社の違いは次の通りです。
さておき、毎年これだけ多くの新しい会社が設立されているんだな~と驚きました。
もちろん、株式会社や合同会社以外にも法人はたくさんありますから、
それらも合わせると毎年もっと多くの法人が設立されていることになるのでしょう。
たくさんの人が起業していることを思えば、
世の中不況って本当なのかな~?と不思議に思ってしまいます。
(不況だから起業するのかな??)
H28.9.29 グラフにつきH27年度情報を更新
<みさき司法書士事務所>
2015.05.15.
その他【本の表紙が決まりました】
以前から執筆していた本の表紙デザインが決まりました。
6月16日入荷予定ですので、
6月末には書店の法律書のコーナーで見ることができると思います。
人生初の出版、楽しみすぎます。
<みさき司法書士事務所>
2015.05.12.
相続【遺産分割協議後に見つかった財産】
遺産分割協議後に財産が新たに発見された場合に備えて、発見した場合はどうするかを
遺産分割協議書の中で、だいたい定めておくことが多いと思います。
たとえば、遺産分割協議後に新たに相続財産が発見された場合には
法定相続分で分けるとする場合や、ある特定の者(例えばAさん)が相続するなど、
相続人間で自由に取り決めておくことができます。
さて、ある特定の者(例えばAさん)が相続すると決めていた場合において、
実際に遺産分割協議後に新たに相続財産が発見されたときに
この遺産分割協議書に基づいて、Aさんが単独で相続することができるかどうか…が問題です。
今回、実際に問題が起こりました。
新たにX銀行に預金があることが発覚したのです。
相続人がたくさんいるため、再度捺印をもらうのは困難です。
なんとしてもこの前回捺印を集めた遺産分割協議書を利用して、
Aさんが単独で相続できるように手続きを進めたいところです。
X銀行に掛け合ってみたところ、まずは書類を見せてください、とのことでしたので、
まずはおそるおそる書類を提出しました。
法律上可能であっても、融通が利かないのが金融機関ですから。
不安に思っていましたら、結果、
この遺産分割協議書を利用して全てAさんが相続するということで手続きをすすめることができました。
もちろん全ての金融機関で同じ扱いをしてもらえるとは限りませんが。
○生銀行はOKでした。
常識的な良い金融機関だなと思いました。
<みさき司法書士事務所>