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2013.05.15

訴訟【取立訴訟の管轄裁判所】

取立訴訟とは、債権者が債務者の債権を差し押さえた際に、
第三債務者(債務者の債務者)が任意に債務を債権者(差押債権者)に支払わない場合、
第三債務者を相手方として起こす裁判のことです。

その訴えを提起する管轄裁判所なのですが、以下の点に注意しなければなりません

通常、金員を請求する裁判を起こす場合は、
①民事訴訟法第4条の原則である「被告(債務者)の住所地」か、
②財産権上の訴えである場合は、民事訴訟法第5条により「原告(債権者)の住所地」になります。
上記のいずれかの競合となります。

しかし、取立訴訟の場合には、被告(第三債務者)の義務の履行地は原告(債権者)の住所地ではありませんので、
原告の住所地を管轄する裁判所は管轄の裁判所とはならないのです。

また、こんな判例を見つけました

「持参債務の債権を差押さえたことに基づくその債権の取立訴訟については、
民訴法第5条の義務履行地は差押債権者の住所地ではなく、差押債務者の住所地である。」
(大阪高裁昭和58(ヲ)第316号、移送決定に対する即時抗告申立事件、
大阪高裁昭58.10.7第7民事部決定、抗告棄却・確定、原審大阪地裁昭58(モ)第7644号、昭58.9.6決定)

というわけで、

取立訴訟の場合は「被告の住所地」の他に、
「差押債務者の住所地」も裁判所の管轄権があるという考え方もできるようです。
ですから、取立訴訟を行う場合の裁判所の管轄は、
原則通りの「被告(第三債務者)の住所地」
「差押債務者の住所地」を管轄する裁判所ということになります。

 <みさき司法書士事務所>

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