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2013.03.11
成年後見【高齢者の金銭管理】
司法書士は横や縦のつながりがとても強いので、よく同業で集まって交流することがあります。
そのときに、職務上の情報交換なんかもよくしているのですが、最近おどろくような話を聞きました。
私の知人司法書士が市長の申立により成年後見人に就任し、
財産調査と財産の引き継ぎをするために本人宅へ訪れたところ、
たまたま見知らぬ中年女性が本人宅へやってきて、「買い物のお手伝いに来てやった」と言うのです。
聞くと、女性は近所に住んでいる他人様(親族等ではない)で、
「買い物に行く」「お金を降ろしに行く」などの名目で毎回お小遣いを本人からもらっている…と
もちろん、本人は認知症が入っていますので、判断能力はありません。
本人は女性の言うままにお小遣いを渡していたようなのです。
(女性は悪意はなかったのかもしれませんが、お小遣いが高額すぎて、
客観的にどう考えても善意ではないとの推定が働いてしまいます。。。。)
本来ならヘルパーさんにお願いすれば済むはずの買い出し…。
なぜこのようなことが起こったのか疑問で仕方ありませんが、
やはり一人暮らしの高齢者は付け込まれやすいということなのでしょうか?
知人司法書士はその場で、今後は司法書士が財産管理をするので、お小遣いは渡せないとの意思を伝えたそうです。
その後、その中年女性は本人さん宅へ来ることはなくなったそうです。
(やっぱりお小遣いが目的ではないですか。)
高齢者の被害でよく聞くのは、オレオレ詐欺だとか、悪徳商法だとかが多いですが、こんなこともあるんですね。
ご近所さんですし、買い物に行ってあげると言われたらついついお小遣いを渡してしまって、
それがいつの間にか本人にとってももらう側にとっても習慣になってしまっているのでしょうか。
ご近所さんだと断りにくいですからね。
うちの祖母(もう他界しました。)なんかは、ヘルパーさんにまでお小遣いを与えていて、
それに気づいた私がヘルパーを変えさせたこともありました。
祖母からしてみればチップか何かのつもりだったのでしょうが、
職務として行っている行為で判断能力の低いお年寄りからお金をもらうなんて、悪質ですよね。
皆さんの周りのおじいさん、おばあさんは、金銭管理がきちんとできていますか?
家族が一緒に住んでいれば目が行き届くことがあっても、
ひとり暮らしだとどうしても目が行き届かないことがあります。
ぜひ、一度見直してみてください。
<みさき司法書士事務所>