ブログ

2013.02.16

相続【遺産分割協議書作成についてよくある勘違い】

遺産分割協議書の作成について、よく質問されるので、特に勘違いされていることについて、書きたいと思います。

①遺産分割協議書は1枚に全員が連名で署名捺印する必要はない!?
遺産分割協議書は、1枚の書面に相続人全員が署名捺印して作成する必要はありません。
同じ内容の遺産分割協議書を数枚作って、1人が1枚に署名捺印してもかまいませんし、
例えば、相続人5人のうち3人が1枚の書面に連名で署名捺印し、
残りの2人が1枚の書面に連名で署名捺印する形で作成してもかまいません。
要は、ちゃんと同じ内容の話し合いができていることが証明されれば良いわけです
相続人が全国各地に散らばって住んでいる場合に、1枚の書面を郵送で回していたら時間がかかってしまいますよね?私だったらこんなときは、1人が1枚に署名捺印すればよいようにして、人数分の遺産分割協議書を作成していますよ

②ひとつの遺産分割協議書ですべての相続財産を遺産分割する必要はない!?
遺産分割協議書は、協議のたびに作成するものですから、協議がまだ調っていない財産については
記載する必要はありませんし、銀行用(預金口座についてのみ記載)、法務局用(不動産についてのみ記載)と分けて作成しても全く問題ありません
そうは言っても、相続人の間で何度もやりとりするのが億劫な場合でしたら、
1度で全て終わらせてしまいたいものですけどね

③遺産分割協議書に、預貯金口座の残高を記載する必要はない!?
遺産分割協議書に記載する財産は、特定できればそれで足りますから、
預貯金や株式については残高を記載する必要はありません。
一般的に残高を記載するのは、相続人の間で、お互いに財産を把握しておきたいから?でしょうかね。
預貯金の残高を記載する場合は、通常は被相続人の死亡した日の残高証明を取って、それを記載することになります。
そうすると、死亡した日以後の利息や配当なんかについては誰が相続するの!?という話になってしまいます。
ですから、死亡した日以後の利息や配当についてもちゃんと遺産分割協議書の中で相続する人を特定できるようにしてあげましょう。
具体的には、「○○銀行○○支店 口座番号×××× 残高△△△円及び相続開始後に発生した利息その他受け取るべき金額の全て 」という感じで書いておけば十分足ります。

金融機関によっては遺産分割協議書があっても預貯金の解約には相続人全員の署名捺印が必要というところもあるので、
遺産分割協議書を作成するときには事前によく確認してから作成されることをおすすめします。

<みさき司法書士事務所>

コメント

今晩は

「○○銀行○○支店 口座番号××××  全額」という表記でも問題ないですか?

よろしくお願いします。

  • 2017.09.14 22:47
  • moonsong

大変貴重な経験から来るアドバイスの
公開をありがとうございます。

他のサイト等探しましたが、
困っているポイントに対する的確な
情報がありませんでした。

①②③ともに、非常に有益な情報で
今後の相続手続きに助かります。

ここで一つ質問させていただいて
よろしいでしょうか。

③のように、預貯金の金額を入れない
メリットは各銀行の異なる口座に対応
させた、口座毎の分割金した額明細を記載しなくても良い点があると思います。

このような形で、銀行に遺産分割協議書
を提出した場合は、その協議書以外に
親族間の合意内容と金額を記載した
合意書を作成し、同意を得ることが
必要かと思いますが、いかがでしょうか。

この親族内合意書は銀行には提出しない
親族間の合意書という意味ですが、
いかがでしょうか。

よろしくお願い致します。

  • 2017.07.14 14:28
  • カワハラ ノブオ

コメントフォーム

(不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。
適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

ご予約はお電話・フォームから 06-6940-4815

カレンダー

«2月»
     1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28   

ブログ内検索

モバイル・スマートフォン対応

ページの先頭へ