相続放棄
相続放棄とは、家庭裁判所に申述することで、相続人たる地位(相続権)を放棄することをいいます。
被相続人の方が借金を残してお亡くなりになられた場合で、借金を相続したくない場合等に有効な手続きです。
相続放棄の手続き
1.管轄裁判所
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
2.申立の期限
<原則> 「自己ために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内(民915Ⅰ)。
<例外> 特別な事情がある場合、つまり、「3ヶ月以内に相続放棄をしなかったのが、相続財産が全く存在しないと 信じたためであり、かつ、このように信ずるについて相当な理由がある場合」には3ヶ月の期間を過ぎていた場合であっても、相続放棄が認められることがあります(最判昭59.4.27)。
ブログも参照してください。
ご相談に来られる方は、多くの場合、被相続人の亡くなって3ヶ月を過ぎた後にご相談に来られる傾向にあります。
諦めずにぜひ一度弊事務所にご相談ください。
3.申立費用
収入印紙800円分
郵券
*司法書士に書類の作成と提出を依頼する場合には、別途費用がかかります。
当事務所で手続きを行う場合の費用は、事務所費用を参照してください。
4.必要書類
□申述書
□被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票
□相続放棄する方の戸籍謄本
□被相続人と相続放棄する方の相続関係のわかる戸籍及び除籍謄本(又は原戸籍謄本)
相続放棄申述受理後の手続き
相続放棄の申述受理がされたら、家庭裁判所から、「決定書」が届きますが、これとは別に「相続放棄申述受理証明書」を交付してもらう手続きが必要です。
多くの債権者は、この「相続放棄申述受理証明書」を提出することによって、相続放棄を行った相続人への支払の請求をストップします。
- 相続放棄は相続人全員で行う必要はありますか?
-
特に相続人全員で行う必要はありませんが、借金がある場合には、相続人全員で行われる方が多いです。
- 夫が亡くなり、妻が子と一緒に相続放棄を行った場合、相続人はいなくなるのですか?
-
第一順位の相続人が相続放棄により、相続人でなくなった場合、今度は第二順位の相続人(あるいは第三順位の相続人)のところに相続権が移ります。
したがって、借金がある場合に相続放棄を行うと、今度は第二順位の相続人のところに債権者から請求が行く可能性があります。このような場合には、第二順位の相続人(あるいは第三順位の相続人)に、「相続放棄をしましたよ。」とひとこと声を掛けておくと良いと思います。
相続人の順位についてはコチラをご覧ください。