成年後見人等の事務と裁判所への報告
成年後見人等に就任した人は、次のような事務を行う義務があります。
親族後見人等であっても、次の事務を行う義務は免除されません。
裁判所への報告は忘れずにきちんと行いましょう。
事務の主な内容
成年後見人等は、本人の権利の保護のため、本人の利益のために事務を行います。
成年後見人の主な事務には次のようなものがあります。
(ただし、保佐人、補助人については、事前に代理権が与えられている範囲に限ります。
登記事項証明書に書かれている代理権を確認してください。)
施設、家賃、水道光熱費等の日常の生活費の支払い
入院や入所の手続き
保険金の請求
遺産分割
預貯金等の契約・解約
不動産の処分
*居住用不動産を処分したり、大改修を行う場合には、事前に家庭裁判所の許可を必要とします。
上記の他にも、事務はたくさんあります。処理の方法に迷ったら、家庭裁判所に相談してみましょう。
裁判所への報告義務と時期
就任報告
後見人等は、就任後1か月以内に、本人の財産・収支を再度調査し、家庭裁判所に次の書類を提出する必要があります。
■就任報告書
■財産目録及びその付属書類
■収支目録及びその付属書類
*「就任後1か月以内」というのは、財産が多い方でしたら、意外と間に合わないものです。
事前に家庭裁判所に「少し報告が遅れます」と連絡を入れておけば大丈夫ですから、念入りに調査して報告をしましょう。
事務遂行報告
後見人等は、就任した後、年に1度、家庭裁判所に次の書類を提出する必要があります。
親族後見人であっても、家庭裁判所への報告は義務です。忘れずに行いましょう。
■事務遂行報告書
■財産目録及びその付属書類
■収支目録及びその付属書類
*親族後見人であっても、きちんと事務を行っていれば後見等の事務に対する報酬付与の申立を行うことができます。
終了報告
後見人等は、後見等事務が終了した時(本人の死亡、後見人等の辞任・解任等)は、速やかに成年後見終了の登記を申請し、家庭裁判所に次の書類を提出する必要があります。
■終了報告書
■財産目録及びその付属書類
<注>
最近、親族後見人等による、本人財産の使い込み事案が多数見受けられます。成年後見人はそんなつもりではなかったとしても、成年後見制度を利用している以上、業務上横領罪となります。詳しくはブログをご覧下さい。
財産管理は明確に、使途不明金がないように注意して行ってください。