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2013.02.26
相続【不動産の相続と売却を予定している場合の遺産分割】
不動産の相続登記の依頼を受けた場合には、以下の点に留意しています
「相続した不動産は売却予定かどうか?」です。
もし売却予定であれば、「売却代金を相続人で分ける予定はありますか?」と必ず質問します。
相続人が複数いる場合であって、
不動産を売却して売却代金を分けるという遺産分割(換価分割)をする場合には、
相続の名義変更は法定相続人全員の名前で名義変更しておくことが望ましいからです。
不動産を売却するにあたり、売主が多数であれば売買手続きも全員で行う必要があり、
決済当日も原則として全員出席しなければならないなど、面倒くさいことも多々あります。
しかし、だからといって、不動産の名義変更を行う際に相続人のどなたか一人の名義にしてしまうと、
不動産の譲渡所得税は名義人となっていた者にのみ課税されることになるのです。
つまり、売却代金を全員で分けたのにも関わらず、特定の相続人にのみ支払い義務が生じてしまうことになってしまいます。
しかも、売却する不動産は相続人がそこに住んでいない不動産である場合が99%ですので、
居住用不動産を売却した場合の控除も適用されず、想像以上に譲渡所得税がかかってしまいます。
*逆にそこに住んでいた方が相続人の中にいる場合には、その方の名義にしてから売却すれば、
譲渡所得税がかからないこともあります。
そして、ここまで書いておいてなんですが、
換価分割であることを遺産分割協議書に明記しておけば、
不動産を売却するにあたり、便宜上、特定の相続人の名義に相続登記していたとしても、
譲渡所得税の申告は相続人各自が行うことで、
相続人の1人だけが売却代金の全額について譲渡所得税が課税されるということはないようです。
いずれにしても、誰の名義に変更するのが譲渡所得税対策としてお得なのか?
換価分割の場合に、遺産分割協議書はどのように記載しておくべきなのか?
相続したお金を少しでも守るために、注意しなければなりませんね。
<みさき司法書士事務所>